日本の伝統野菜-41.佐賀県

1.地域の特性

【地理】

佐賀県は日本の主要四島の一つである九州の北西部に位置しています。総面積は2,440㎢で全国42位です。佐賀県に隣接しているのは福岡県、長崎県の2県です。県の東は福岡県、西は長崎県に接し、北は玄界灘、南は有明海に面しています。

佐賀県の森林面積は1,104㎢で全国47位。森林率は約45%で、福岡県と同様に、全国平均の67%より少ないです。可住面積は県土の約55%を占め、1,336㎢で全国34位です。人口は803,087人(2023年4月1日時点推計人口)です。

県域の東西の距離は75km、南北の距離は74kmで、凹凸のある逆三角形に近い形をしています。

佐賀県の北東部の福岡県境は1,000m級の脊振(せふり)山系が連なり、中央部には天山(てんざん)山系が広がっています。南西部の長崎県境には1,000m級の多良岳(たらだけ)山系が広がっています。佐賀県の最高峰は、佐賀県鹿島市と長崎県大村市の境に位置する経ヶ岳で標高1,075mです。

河川は、筑後川(ちくごがわ)、嘉瀬川(かせがわ)、六角川(ろっかくがわ)、松浦川(まつうらがわ)などがあります。筑後川は、その源を熊本県阿蘇郡瀬の本高原に発し、熊本・大分・福岡・佐賀の4県を流れる九州最大の1級河川で、肥沃な筑紫平野を貫流し、有明海(ありあけかい)に注ぎます。嘉瀬川は、佐賀県佐賀市三瀬村の脊振山系を源に、支川を合わせながら山間部を南流し、途中、多布施川を分派し、さらに下流で祇園川を合わせて佐賀平野を貫流し、有明海に注ぎます。六角川は、佐賀県神六山を源に武雄川 ( たけおがわ ) を合わせ、 白石平野 (しろいしへいや ) を蛇行しながら、河口部の 住之江 ( すみのえ ) で 牛津川 ( うしづがわ ) を合わせて有明海にそそいでいます。松浦川は、佐賀県武雄市山内町標高599mの青螺山(せいらさん)を源に、鳥海川(とのみがわ)等の支川を合わせながら北流し、唐津市相知町で厳木川(きゅうらぎがわ)を合わせ、下流平野部に出て徳須恵川(とくすえがわ)を合わせ、その後は唐津市中心市街部を貫流し、玄界灘に注いでいきます。

県の南部の大部分を占める佐賀平野、白石平野は、自然排水が困難な低平地で、過去に大規模な水害が発生しています。また、県の西部の丘陵地帯から東松浦半島の上場台地(うわばだいち)にかけた地域は、比較的地質がもろく、過去に多くの土砂災害が発生しています。

県北部が面している玄界灘は、リアス式海岸と砂浜海岸が続き、仮屋湾(かりやわん)などの内湾や入り江が発達しています。県南部が面している有明海は、干拓により直線化した海岸線が続く波の静かな内海です。多くの河川が注ぎ込んでいるため、野山に染み込んだ雨水が有機物や栄養塩が流れ込み、栄養分が豊富な海となっています。海苔の養殖が盛んです。

【地域区分】

佐賀県は、律令制の頃は、佐賀県域のほとんどと隣接する長崎県を併せ、肥前国(ひぜんのくに)と呼ばれていました。現在の地域区分は、佐賀藩と唐津藩に二分されていた歴史的経緯から、唐津市を中心とした北部(北西部)と佐賀市を中心とした南部(南東部)に分ける2区分が最もよく用いられています。より細かく分ける場合は、北部・東部・西部の3区分や、国土交通省は東部(とうぶ)・佐賀(さが)・唐津(からつ)・伊万里(いまり)・杵藤(きとう)の5区分が用いられています。

佐賀県は、現在10市10町

東部地域…神埼市(かんざきし)、鳥栖市(とりすし)、吉野ヶ里町(よしのがりちょう)、上峰町(かみみねちょう)、みやき町(みやきちょう)、基山町(きやまちょう)

佐賀地域…佐賀市(さがし)、多久市(たくし)、小城市(おぎし)

唐津地域…唐津市(からつし)、玄海町(げんかいちょう)

伊万里地域…伊万里市(いまりし)、有田町(ありたちょう)

杵藤地域…武雄市(たけおし)、嬉野市(うれしのし)、鹿島市(かしまし)、大町町(おおまちちょう)、江北町(こうほくまち)、白石町(しろいしちょう)、太良町(たらちょう)

【気候】

佐賀県の気候は、県中央部の山地を境にして、県の北部が日本海型気候区、県の南部が内陸型気候区に大別できますが、年平均気温16℃前後の地域が広く、全般に温和な気候だといえます。

また、佐賀市付近は周辺の地域より気温が高くなっており、福岡市付近と同様に、都市化の影響が現れているようです。

佐賀県の降水量は、県の北東部から中央部にかけて連なる脊振山系、天山山系、南西部の多良山系、西部の国見山周辺の山間部で多く、これらの地域では年間降水量が2,400mmを超えます。一方、北部の玄界灘沿岸、南部の佐賀平野では少なく年間降水量は1,800mm前後です。

【農業の特徴】

佐賀県の農業は、温暖な気候と肥沃な土壌など、恵まれた自然条件を活かしながら、米・麦・大豆を中心に、いちご、たまねぎ、アスパラガスなどの野菜、みかん、なしなどの果樹、肉用牛などの畜産等を取り入れた多様な生産を展開しています。

耕地面積は5万500ha(令和3年)で、県の総面積の21%を占め、うち8割を占める田においては、二毛作(夏期に米・大豆、冬期に麦類・たまねぎ)が盛んで、耕地利用率(田畑計)は133%(令和2年)と35年連続で全国1位です。また、平野部では担い手への農地集積が特に進んでいます。

2.佐賀の伝統野菜

佐賀県では、特に伝統野菜を定義づけてはいません。現在、伝統野菜とされている野菜は、各地で古くから栽培されてきた品種で、種を自家採取して、土地の気候風土にあった野菜として育成した品種がほとんどです。一時は消滅しかけた品種も地域の方々が復興し、ブランド化を進めています。

ここでは、伝統野菜7種、伝統果実1種、地域野菜3種をご紹介します。穀類は蕎麦で「北山在来」があります。

青縞うり(あおしまうり)

【生産地】多久市

【特徴】白瓜(しろうり)の在来品種。果実はやや短形で丸みを帯び、長さ20㎝、重さ0.6~1㎏程度。果皮は灰緑色で、やや濃い銀色の幅広い明瞭な縞模様がある。果肉は黄緑色で厚く緻密。

【食味】色ツヤが良く、カリッとした歯ごたえが特徴。生食では苦味があるため漬物にする。

【料理】漬物加工に適した品種。旬の漬物として親しまれてきウリの酒粕漬け。

【来歴】多久市桐岡、道祖元(さやのもと)地区で古くから栽培されてきた。来歴や導入経過は不明。1940年代に鹿島地域にて自家採種で栽培されていた青大縞瓜(あおだいしまうり)と真桑瓜(まくわうり)の自然交雑種を種苗店が採種するようになって広まったとされる。40年ほど前から多久市で本格的に栽培が始まった特産の野菜。

【時期】5月~7月

みんなの農業広場「青縞うり漬」

相知高菜(おうちたかな)

【生産地】唐津市相知町、

【特徴】やや小ぶりで柔らかい肉質が特徴。

【食味】相知高菜漬けは、他の高菜漬けと比べて柔らかな食感と甘酸っぱさが特徴。

【料理】高菜漬によるチャーハン、おむすび、スパゲティ、ギョーザなど

【来歴】1907(明治40)年頃から1965(昭和40)年代にかけて、唐津市相知地区を中心に盛んに栽培されてきた。

相知高菜の誕生由来は、1952(昭和27)年1月に誠文堂新光社から発行された「園藝大辞典(えんげいだいじてん)」第3巻の記載に「明治37年に中国四川省から導入された青菜(せいさい)と江戸時代以前から存在していたであろう相知の在来紫高菜との交雑により誕生した相知高菜」との記述などから1907(明治40)年頃に多肉性高菜として全国で初めて誕生したと判断される。1920(大正9)年には相知高菜を商品として地元の広瀬仙吉商店が製造販売しました。

しかし、1965(昭和40)年代以降、小ぶりな相知高菜より収穫量が多い大型品種(三池高菜)の栽培に移行しため、生産が激減し「まぼろしの高菜」となった。

1998(平成10)年頃、佐賀県漬物工業協同組合の前田理事長は全国漬物協同組合連合会の地域特産品委員会の活動を機に、子供の頃よく食べていた「相知高菜」を捜し始め、2007(平成19)年、相知地区の高菜農家の納屋から、少量の種を発見。翌2008(平成20)年佐賀県東松浦農業改良普及センターで種子の採集を行い、本来の相知高菜に近いものを厳選しつつ、交配を繰り返す努力が続けられ、2009(平成21)年春に初収穫し、漬け込みを行って、かつての相知高菜漬を復活させた。現在、種子管理はJAからつ管内の相知町農産物加工団体「逢地の里」1カ所で厳重に行い、相知町の契約農家3軒と漬物業者で「相知高菜」の栽培を手掛けている。

【時期】3月~4月

本場の本物

文化庁100年フードデータベース

女山大根(おなやまだいこん)

【生産地】多久市西多久町

【特徴】成長すると4~5㎏にもなり、大きなものは3貫目(約11kg)にもなる。葉と表皮の赤紫色が特長。酢をかけると果肉が桜色に変わる。残念ながら火を通すと赤色は消える。

【食味】糖質が多いため、甘味がある。大根特有の辛みはほとんど感じることはない。煮崩れしないのが特徴。

【料理】なます・おろし・おでん・ふろふき・田楽

【来歴】多久市西多久町の女山周辺で江戸時代から栽培されている在来種。250年以上前から栽培されていたとされ、江戸時代の多久地域を記録した文献「丹邱邑誌(たんきゅうゆうし)」(1847年)に登場し、多久出身の儒学者草場佩川(くさばはいせん)は、詩や絵に好んで取り上げている。また、110年前に「女山大根」の品評会を実施していた記録が残っている。大きすぎて市場の規格に合わず、市外に出回らなかった。そのため、自家用栽培のみがわずかに行われていた。自家採種を繰り返していくうちに、他の品種と交雑し、在来種本来の色や形は次第に失われるなどしたこともあり、昭和初期には蜜柑(みかん)等への転作によって一時消滅しかけた。しかし、他では見られない在来の珍しい大根を地域の特産品として見直す機運が高まり、1985(昭和60)年代から佐賀県佐城農業振興センターや多久市が一体で産地復興に取り組み始め、地域にわずかに残っていた種子を佐賀県の農業試験研究センターに持ち込み、10年近くかけて交配、選抜を繰り返して本来の姿・形を復活させることに成功した。1995(平成7)年にオープンした地域農産物直売所の目玉産品として生産振興を図った。これによって、産地復興当時2~3名の生産者による1tにも満たない生産だったが、2020(令和2年)には約30名の生産者が約10tを生産するまでとなり、商標登録されている。2022年には、「地理的表示(GI)保護制度」に登録された。

【時期】12月中旬~2月下旬

多久市HP

桐岡なす(きりおかなす)

【生産地】多久市桐岡地区

【特徴】一般的な長ナスと比べ重量が2、3倍ある。重さは400gから大きいものでは1㎏にも達する。形はラグビーボールのようなずんぐりしている。皮の色は赤紫色で明るく、果肉は鮮緑色。

【食味】肉質は緻密。果皮は薄く、柔らかい。種も少ない食味が良い。味がしみこみやすく、しっかり加熱するとトロリとやわらかくなるのが特徴。

【料理】焼きナスや天ぷら、フライなど

【来歴】古くから佐賀県多久市桐岡地区で栽培されてきた伝統野菜。独特の形状が箱詰め出荷や輸送に不向きとされ、自家消費用以外は多久市内の直売所で販売する程度だったが、地域ブランドに育てようという試みが進められている。

【時期】6月~11月上旬

佐賀新聞

唐津自然薯(からつじねんじょ)

【生産地】唐津市

【特徴】細長く回る固有の形状が特徴で、長いものは1mを越すものもある。

【食味】独特の粘りと風味があり。山芋と違い皮まで食すことが可能。春には新芽、秋から冬は、ムカゴとイモを食す。※ムカゴ:自然薯の葉の根本に付く多肉で球状の芽

【料理】とろろ・あぶり焼きなど

【来歴】現在は栽培種が主流だが、唐津は、もともと自生の自然薯が多い地域である。唐津自然薯の歴史は古く、1600年頃の江戸時代の文献「唐津拾風土記」に唐津領名物として唐津城藩主へ献上品として納められていたことが明記されている。また、1905(明治38)年に発表された夏目漱石の『我輩は猫である』にも唐津の自生の自然薯が登場しており、その頃から東京に持ち込まれていたことがうかがえる。唐津の栽培地周辺の土質は、自然薯栽培に最も適している不純物の少ない真砂土の赤土で、この土に育つ自然薯は色白で粘り強いことが特徴。2015(平成27)年唐津市浜玉町の栽培農家ささき農園の佐々木氏は、農林水産省が主催する地域環境保全型農業推進コンクールで、無農薬の自然薯(じねんじょ)栽培を評価され、九州農政局長表彰を受けている。

【時期】11月下旬~2月

佐賀新聞

ささき農園

戸矢カブ(とやかぶ)

【生産地】西松浦郡有田町戸矢地区

【特徴】土地固有の伝統野菜。ソフトボールほどの大きさ。葉はギザギザしている。肥大した根の上半分の表面が赤紫色。肥大した根の上半分の表皮が赤紫色をし、根の部分が白い状態である。真ん中を縦割に切った断面はハート型に近い形に見える。

【食味】甘味があり、肉質は柔らかく、ほどよい歯ごたえがある。

【料理】酢の物、汁物、カブの葉の炒め物など

【来歴】佐賀県有田町の南端、長崎との県境に位置する戸矢地区のみで古くから栽培されている。2010(平成22)年に戸矢地区の有志で「有田戸矢かぶの会」が結成され、会を中心に、町全体で保護・普及活動も行われている。

戸矢蕪に由来する話として、平安時代末期の武将、鎮西八郎為朝(ちんぜいはちろうためとも)が、この地方で暴れまわる大蛇を退治した時に放った1本目の矢が跳ね返り、家の戸にささったのが「戸矢」という地名の由来とされ、2本目の矢は大蛇の頭に命中し、その血が戸矢の畑まで流れていき、もともと白かった蕪の土から出た部分だけを赤紫色に染めたという伝説が残っている。鎮西八郎為朝は、源義経(みなもとのよしつね)の父源義朝(みなもとのよしとも)の弟源為朝(みなもとのためとも)のことである。1156年の「保元の乱(ほうげんのらん)」を題材にした「保元物語(ほうげんものがたり)」によると、源為朝は、身長2mを超える巨漢のうえ気性が荒く、剛弓の使い手で、剛勇無双とされた。生まれつき乱暴者で父親に持てあまされ、九州に追放されたが手下を集めて暴れまわり、一帯を制覇して鎮西八郎を名乗ったとされる人物である。

【時期】11月〜1月下旬

菱の実(ひしのみ)

【生産地】神埼市

【特徴】菱(ひし)はミソハギ科ヒシ属(ヒシ科はミソハギ科に含められた)の水生の一年草。湖沼や池に生え、茎、泥水中を伸びる。葉は菱状(ひしじょう)三角形で、葉柄の一部にふくらみがあり、四方に出て水面に浮かぶ。夏、四弁の白い小花が咲く。実は堅く角状のとげがあるが中の白い種子は食用する。菱の種類には、菱(和菱)、オニ菱、唐菱(からびし)、ヒメ菱などがあるが、神崎市では日本に昔から生息している和菱を栽培している。

【食味】茹でると栗のような素朴な味わいが楽しめる。

【料理】茹でて皮をむき、そのまま食す。菱ご飯、炒め物、サラダ、甘露煮など。水田で栽培した菱は、地元の特産品である「神埼菱焼酎」や「ひしぼうろ」など神埼ブランドの原料として使用される。外皮は乾燥させてお茶にする。

【来歴】菱は、山菜や山葵(わさび)、牛蒡(ごぼう)など、大昔から日本に自生していたとされる20種ほどしかない在来種の一つである。かつては、全国の湖沼で見られ、おやつとして食べられていた。しかし、徐々に生息地が減った。現在、菱の栽培地としては福岡県と佐賀県である。

菱はクリークと呼ばれる農業用水路にも生息し、神埼市大依地区などでは、毎年、9月下旬から10月末までの間、クリークに浮かべた「ハンギー」と呼ばれる大きなタライに乗って、手摘みで菱の実を収穫する昔ながらの手法がとられており、「菱の実採り」は秋の風物詩となっている。2009年に、市役所総務企画部・政策推進室が「神崎ブランド」として「菱」を市の新しい特産品にしようと調査と栽培を本格化した。ところが、2021年にクリークで自生するヒシの実の収穫量はゼロになるという出来事があった。原因は、外来種のミシシッピアカミミガメなどが茎を食いちぎっていることや、近年の大雨災害で種が流されたことが原因ではないかとされている。そのため、安定生産を目指す「神埼和菱組合」は、休耕田を利用して人工的な栽培を開始。クリークで採取された菱の実は神埼和菱組合を通して、神埼産生菱として全国に出荷される。

【時期】9〜11月 水田は12月頃

神埼市HP「秋の風物詩『菱の実採り』

3.佐賀の伝統果樹

元寇(げんこう)

【生産地】唐津市鎮西町馬渡島(まだらじま)、唐津市浜玉町

【特徴】香酸柑橘。淡いレモン色。甘みがありまろやかな酸味の果汁が特徴。サイズは小さい蜜柑(みかん)ほど。

【食味】さわやかな香りと酸味。酸味や甘味は、その時期その時期で変化する。

【料理】ぽん酢、焼き魚、シメ鯖、イワシの塩辛など。加工品として、いかさしゲンコウ、ちりめん佃煮、グランドシャ、ジュレ、飴、クッキー、サイダー、ドレッシングなど

【来歴】玄界灘に浮かぶ馬渡島の山中に自生していたもの見つかった。佐賀県にしかない珍しい柑橘。馬渡島でもカトリック集落の「新村(しんむら)」でしか確認されておらず、その由来は解明されていない。かつて、この島に渡ってきたスペインの宣教師が持ち込んだのではないかと推測されている。

2021年に産直サイトを運営する「未来ギフト唐津」という活動に参加した県立唐津西高写真部の高校生が、元寇と出会い、「自生している元寇の成木が馬渡島に2本しかない」ことや「浜玉町の富田農園が元寇を守るために栽培している」ことを知り、復活プロジェクトを立ち上げた。高校生から提案を受けた「未来ギフト唐津」は、島民に栽培を依頼して収穫した実を加工・販売することを計画。その第一歩として、島の自生木からの接ぎ木で元寇を生産する同市浜玉町の農家、富田秀俊氏が無償提供した成木19本が、部員23名の手で島の畑に移植された。現在、収穫された元寇は、通販や道の駅、加工品などで販売されている。「元寇(げんこう)ジャム」で産品唐津ブランド認証票を受けた。

※「新村」は佐賀県西松浦郡に存在した村。有田村に改称。町制施行して東有田町に改称。現有田町。

【時期】11月~2月

4.佐賀の特産野菜

佐賀県には特産の驚くほど大きな野菜があります。伝統野菜とは言い切れませんが、大きすぎておもしろいのでご紹介します。

七福しょうが(ひちふくしょうが)

【生産地】唐津市七山(ななやま)地区(旧:東松浦郡七山村)

【特徴】日本国内で最大の生姜。

【食味】繊維質が少なく食べやすい。しょうが特有のピリッとした辛味も少ないのが特徴。

【料理】甘酢漬けなど

【来歴】土質や気象条件に適した唐津市七山地区では、「七福生姜」としてブランド化している。

【時期】7月下旬~10月下旬

JA唐津

福頭(ふくがしら)

【生産地】嬉野市吉田地区

【特徴】里芋。1個600~700gほどの大型な里芋で、大きいものは1㎏を越える。ちなみに一般的な里芋1個の重さは50~70gほど。外観は球形、皮がむきやすく、調理・加工が容易。親芋を食べ小芋は種芋にするのが特徴。

【食味】肉質はやや粉質で、緻密であるため煮崩れしにくく、また、味は淡白で甘味があり、きわめて美味。

【料理】煮物・コロッケ・白和えなど

【来歴】2003年に八頭を品種改良して生まれた佐賀生まれ佐賀育ちの里芋。

【時期】11月~12月

ジャンボにんにく(じゃんぼにんにく)

【生産地】吉野ケ里町

【特徴】玉ねぎほどの大きさで(通常の4~5倍)、匂いは控えめ。植物の分類上では、一般的なニンニクとは別種とされリーキという西洋ネギの仲間。

【食味】味はにんにくそのもの。

【料理】ジャンボにんにくを使用したパン、焼肉のたれ、チップス、食べるラー油、にんにくみそ、にんにくアイスなどの加工品もある。

【来歴】2006年に一町一村の合併で誕生した町のように、旧:三田川町職員のアイデアと旧:東脊振村の農家が育ててきた作物が融合。農作物を食い荒らすイノシシが好まないため、中山間地の耕作放棄地の解消にもなることから栽培を始めた。吉野ヶ里町では「吉野ガーリック」と名づけ新たな特産品として販売している。唐津市では「たまがった」のブランド名で販売している。

【時期】7月~8月

佐賀自治研修会「『吉野ガーリック』誕生!!

 

【参考資料】

佐賀県内地域区分図

佐賀県の地形・地質

佐賀県の農林水産業の概要

地方特産食材図鑑

在来種「北山そば」

 

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