水彩画で描く「あいちの伝統野菜」35品目-佐藤昌宏氏の個展を名古屋市民ギャラリー栄で開催
「あいちの伝統野菜」水彩画個展を開催
愛知の伝統野菜35品目すべてを水彩画で描いた「水彩画キミ子方式で描いたあいちの伝統野菜 佐藤昌宏個展」が、名古屋市中区の市民ギャラリー栄で開催されています。
植物の成長の順に描く水彩画キミ子方式
水彩画キミ子方式とは、三原色と白の絵の具のみを使い下描きなしで植物の成長する部位の順序に沿って描いていく画法。ボタニカルアートとは異なり、野菜をありのままに根や枝、葉、実が描かれています。虫に喰われた葉や黄色に枯れた枝葉までが実寸大で緻密に描かれ、野菜の生命力があふれんばかりの作品が並んでいます。
大和伝統野菜に感銘を受け取り組む
佐藤氏は、「水彩画キミ子方式」の講師の資格を取得した頃、講師の先輩である奈良県在住の榎森彰子さんが描かれた「大和伝統野菜」展示会に感銘を受け、「あいちの伝統野菜」を描こうと取り組まれました。
入手が困難な伝統野菜たち
しかし、いざ始めると、愛知の伝統野菜に認定されているものの中には、すでに生産者がほとんどおらず、種さえ見つからない品種もありました。ようやく種がみつかったと喜んで栽培しても上手く育たなかったりして、すべての品目を手に入れて描ききるまでには4年もの歳月がかかったそうです。
何度も壁にぶつかって、あきらめかけた時に、ようやく、たった1軒だけ原種で栽培している生産者さんがみつかったり、代わりに種から野菜を育ててくれた生産者さんがいてくれたりして、乗り越えることができたそうです。
描き上げた絵は生産者さんへ
35品種を完成させることができたのは、快く野菜を提供してくださった多くの生産者さん、協力者の方がいてくれたからだとのことでした。描いた絵はいずれも描画素材の伝統野菜を提供してれた方々にプレゼントされたそうです。
最後の個展は栄市民ギャラリーで開催
今回の個展は、開催のために渡した絵を貸してもらっているとのことで、あいちの伝統野菜を描いた個展は、これが最初で最後になるだろうというお話でした。
「水彩画キミ子方式で描いたあいちの伝統野菜 佐藤昌宏個展」は、名古屋市中区の市民ギャラリー栄で12月4日(火)~9日(日)まで開催されています。
8日(土)の13時半からは、当協会の顧問であり、あいち在来種保存会の代表世話人の高木幹夫先生の特別講演があります。
珍しい「あいちの伝統野菜」の水彩画個展。実物の絵は直接見ると、その繊細さ緻密さに感動すること間違いなし。ぜひ、この機会におでかけください!
「水彩画キミ子方式で描いたあいちの伝統野菜 佐藤昌宏個展」
2018年12月4日(火)~9日(日)
市民ギャラリー栄にて開催
名古屋市営地下鉄栄駅下車12番出口を出て東へ100mほど。
愛知県名古屋市中区栄4丁目1−8 中区役所朝日生命共同ビル7・8階
当協会サイトで公開中
※現在、佐藤昌宏氏が描いた「あいちの伝統野菜」の描画はデジタルデータで協会サイトに掲載しています。
【佐藤昌宏氏デジタルギャラリー】
【参考資料】