今年はじめたいことに「規格外食品購入」がランクイン⁉フードロスに関心高まる
40代からは社会的な問題への意識も向上
皆さんは、もう新年の抱負を立てられましたか? 今年はどんなことを始めますか?
アコム株式会社(東京都)は、1月10日に2024年の“はじめたいことRANKING”の調査結果発表しました。 “はじめたいことRANKING”は、同社が2021年11月に始動した「はじめたいこと、はじめよう! プロジェクト」の活動の一つとして行っているもので、世代別に「はじめたいこと」を調査して発表しています。
今年で3年目となる2024年の“はじめたいことRANKING”の総合第1位は、昨年に引き続き「ポイ活」でした。第2位も昨年同様に「週休3日制度」。第3位は昨年の「副業・複業」からガラリと変わり、「ウォーキング・ランニング」、4位に「ホワイトニング」で、7位の「トレーニング」とともに、美容・ヘルスケアジャンルが上位にランクインしました。
そして、「規格外食品購入」(野菜や未利用魚)も10位にランクイン。昨年は9位だったので、一つ順位を落とした結果となりました。しかし、その内訳は、10代~20代ではランクインしなかったものの、30代では第9位、40代~50代では第4位と、昨年より大幅に順位を上げ、60代では、今年も第2位となりました。
40代以降になると急に「規格外食品購入」(野菜や未利用魚)に意識が向いてくるのは、社会問題や持続可能性、食生活への意識の高まりに比例するものと思われます。
規格外食品が「隠れ食品ロス」になる理由
「規格外食品」とは、サイズや色・形などが基準を満たしていないものや、ふぞろいの野菜やとれすぎた魚などのことを指します。ほとんど市場に出回ることなく、出荷されないまま廃棄となるため、表立った食品ロスではなく「隠れ食品ロス」と呼ばれています。
「規格外食品」が市場に出回りにくい理由は、いくつかあります。
1.生産者側の事情 規格外の野菜まで流通させてしまうと供給量が過剰となって正規品の価格が下がってしまう場合がある。
2.流通の事情 野菜の場合、流通の合理化を図ることを目的に1973(昭和48)年に「野菜の全国標準規格」が制定されました。規格の基準は、主に箱詰めや運搬上などの「流通の合理化」と「店頭での見た目」を重視して設けられていきました。ちょうど、この頃、在来種からF1種への切り替わりが加速しました。
3.消費者の嗜好 消費者が見栄えの良い商品を選んで買っていく傾向があるため、小売業者は「店頭での見た目」の良い商品を仕入れる方向に進みました。 2002(平成14)年3月に標準規格は廃止されましたが、大量生産と大量流通が定着しているため、自治体条例や経済連、農協等による規格は残ったままです。
この3つが主要な理由です。
はじめてみよう規格外食品購入
収穫後に出荷しないで廃棄される野菜・穀類・果実の量は、年間約400万トンにのぼります。これらは、食品ロスの数値には含まれていません(農林水産省「食品廃棄物の利用状況(平成29年度推計)」より)。 隠れ食品ロスを含む食品ロスは、環境への負荷や、仕入れ・生産コスト、廃棄コストなどの経済的な影響も問題視されており、今では世界規模の課題となっています。
これに対し、規格外食品の廃棄問題(隠れ食品ロス)に取り組む企業も増えてきています。アップサイクルという形で、本来であれば廃棄されていた食材や食料を活用し、付加価値をつけて新たな商品とする取り組みも進んでいます。
消費者の意識も変化してきており、食品の見た目も必要以上に気にしなくなりつつあり、「規格外食品」の購入額も年々、増加してきています。また、世界的にはアップサイクル食品の市場規模は健全な成長率を示しています。
皆さんも、今年のはじめたいことの一つとして「規格外食品購入」に取り組んでみませんか?
【参考資料】
ソーシャルグッド「規格外野菜の廃棄(隠れ食品ロス)問題に挑むビジネスまとめ」
News Cast「アップサイクル食品の市場規模は2029年までに868.9億米ドルに達する見込み – 最新予測」
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