家庭菜園でつくる初心者におススメの伝統野菜-あいちの伝統野菜「大高菜」を育ててみた!
伝統野菜を家庭で栽培してみよう!
新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛生活が続くなか、家庭菜園が注目されています。
そこで、今回は家庭菜園の中でも初心者向けにベランダで栽培できる伝統野菜をご紹介します。本来なら、伝統野菜の品種が適応した気候・風土で栽培するのが一番なのですが、家庭のベランダでも栽培でき、食べていただける品種を厳選しました。
ベランダにプランターを置いて栽培するのに適していて、初心者でも栽培できる野菜は、ほうれん草や小松菜、水菜、春菊などの葉野菜です。伝統野菜の品種では、「のらぼう菜」、「かき菜」、「からし菜」、「野沢菜」、「正月菜」、「鮎河菜」、「中島菜」、「長崎唐人菜」など数多くあげられます。
葉物の伝統野菜は全国各地に残っていますので、ご自身のお住いの地域の伝統野菜を栽培されると気候条件が近いので育てやすいと思います。
伝統野菜のタネを手に入れよう
伝統野菜の種は種苗会社で扱っているため、インターネットやホームセンター等で購入することができます。また、地域の事業として、配布を行っていることがあるので、それらを利用して手に入れてみてください。筆者は、名古屋市が年に一度、配布している「大高菜」と「八事五寸にんじん」のタネを入手しました。
現在、名古屋市緑区で「緑区地産地消スタンプdeプレゼント」という事業が行われており、「大高菜」の種の無料配布を実施しています。方法は、スタンプdeプレゼントの「応募はがき付きマップ」を手に入れ、参加協力店1か所で農産物を購入する、もしくは、飲食店を利用して、応募はがきにスタンプを押してもらい、郵送または応募箱に投函すると、参加賞として希望者全員に緑区の伝統野菜「大高菜」の種がもらえます。開催期間は2020年7月1日(水)~9月30日(水)。応募期限は10月8日(木)消印有効です。タネの発送は10月以降の予定となっています。
あいちの伝統野菜・大高菜を育ててみた!
ということで、「あいちの伝統野菜」である「大高菜」の栽培に挑戦してみました!その記録をご紹介します。
「大高菜」は、愛知県名古屋市緑区大高地区で古くから名産品として受け継がれてきた品種です。香りが、繊維質が少ないためやわらかで上品な口当たりが特徴です。アブラナ科であるため、他のアブラナ科植物と交雑しやすく形質が変わりやすいのが難点です。
大高地区では、最近まで、アブラナ科の花粉が飛んでくる危険の少ない古い町並みの中の1軒の農家の庭先で行われてきました。現在では、区役所のプランターなどでも大高菜の展示栽培を行い、そこからタネを採取しています。種まきの時期は、同地区では 9 月 20 日頃~ 10 月末ごろまでで、ちょうどお正月のお雑煮などにも使えます。
ベランダで大高菜のプランター栽培
まずはホームセンターなどでプランターを購入。葉物の場合、プランターの大きさは小型(深さ10〜15cm、土の容量3L程度)で十分ですが、今回は今後、違う野菜を育てることも考えて中型(深さ15~20cm、土の容量5L程度)にしました。
園芸用の鉢底石や土を用意します。
土は、栽培する花や野菜に合わせて、自分でブレンドしたり、ブレンド済みのものを購入したりします。
大高菜の場合のブレンドは、赤玉土6~7:腐葉土3~4が基本的な配合です。
今回はホームセンターで、あらかじめ赤玉7:腐葉土3でブレンドされている「園芸用の基本用土」と「花と野菜の有機培養土」を迷って、両方とも購入してみました。オーガニック培養土も販売されています。
まずは、きれいに洗ったプランターに鉢底石を敷きます。
鉢底石は、土の排水性や通気性をよくする働きがあり根腐れの予防に効果があるので、底が見えなくなるくらいの感じで敷きます。
培養土を入れます。プランターの高さより低めに土を入れます。
深さ1cm程度の溝を15cm間隔で2列作ります。
溝に約1cm間隔で種をまきます。
溝の両側から土を指でつまむようにしてかぶせ、軽く押さえます。
種を撒き終わったら、プランターの底から水が流れ出るまで、たっぷりと水をかけます。
風通しの良い日なたに置いて育てていきます。発芽するまでは土の表面が乾く前に水をあげます。
適温であれば2~3日で発芽します。
種の撒き方が雑だったのが発覚します(笑)
双葉が開いたら最初の間引きをします。 3cm程の間隔になるように、育ちが悪い芽を抜いていきます。
間引き後は、手で「土寄せ(根元に土を寄せかけること)」をします。
追加で肥料をやることを「追肥」といいますが、間引きして一週間したら追肥します。
今回は液体肥料にしました。
化成肥料だと10gをプランター全体にまき、追肥後は土寄せします。
以降、2週間ごとに1回を目安に同量の追肥と土寄せを行います。
間引き後は、土の表面が乾燥したら1日1回を目安にたっぷりと水をあげます。
乾燥に注意し、必要に応じて水やりをします。
日々、着実に育っていきます。
葉が7、8枚になったら、二回目の間引きを行います。
ハサミで株の根元を切ります。間引きした株は食べることができます。
間引いたベビーリーフはサラダに加えて食べました。
柔らかく、スッキリした味で、とっても美味しく感じました。
空間に余裕ができて、再びスクスクと育っています。
若い本場はゴマ和えにしてみました。
草丈が20~25cmになったら収穫です。
残りは、そのままにして、花が咲き実がなるのを待ってみました。
最後は、来季のためにタネを採りました。
以上、大高菜のベランダ栽培を早送りでお届けしました。
もともと、伝統野菜は、農薬等がない時代から、その土地の風土・気候の中で何世代も経て適応してきた品種です。生命力の強い品種が少なくありません。昨今のように気象条件が悪い場合でも、栽培技術があれば生育する品種もあります。
皆さんも、ぜひ、地元の伝統野菜にチャレンジしてみてはいかがですか?
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