これぞ現代の農書! 農文協が『みんなの有機農業技術大事典』を出版!!
有機農業の面積を2050年までに100万haへ
農林水産省が旗を振る「みどりの食料システム戦略」では、2030年までに有機農業の面積を63,000haにし、2050年までには100万ha(面積割合25%)にするという目標を掲げています。1)
2024年3月末時点の日本の有機農業の面積は30,300haで、全農地に占める割合は0.7%です。これは前年同月比で約3,700haの増加となりますが、2030年までの63,000haを達成するためには、毎年、取組面積を約5,000~6,000haずつ増やしていく必要があります。
オーガニックビレッジの創出
この有機農業の取組面積の拡大目標の実現に向けた具体的な取り組みは、市町村主導により「オーガニックビレッジ」を創出することとしています。
「オーガニックビレッジ」とは、地域ぐるみで有機農産物の生産から消費まで一貫して取り組むもので、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ取り組みのことをいいます。
2025年までに100市町村を目指していたところ、2024年8月30日時点で、129市町村で取り組まれています。農水省は、2030年までに200市町村の創出を目指し、産地づくりを推進していくとしています。2)
急がれる有機農業の技術継承
これまで有機農業を推進してきた方々にとっては、「ようやく…」という感も否めないと思います。農家が高齢化してきており、技術を伝承する時間も瀬戸際の段階にきています。一刻も早く、有機農業の技術継承をしていきたいところでしょう。
その重要な局面に出版されたのが、月刊「現代農業」でおなじみの農山漁村文化協会(農文協)の『みんなの有機農業技術大事典』です。
同書は、現代の農書ともいえるもので、「共通技術編」「作物別編」各約1100ページの2巻セットと、まさに事典の名に相応しいものです。
先人達の知恵を凝縮した農業技術書
有機農業の技術は、官庁や研究機関よりも農家のほうが圧倒的に先を行っています。
ご存じの方は、目次や執筆陣を見ただけでも、同書がいかに有機農業の技術を後進に残そうとして尽力しているのかがわかると思います。
有機農業にはさまざまな農法や考え方がありますが、同書はそれらの違いを乗り越えて、みんなが集結して編纂されたものです。
これまで長年、有機農業に専心してこられた先人の方々の知恵と技術を受け継ぐためにも『みんなの有機農業技術大事典』は、ぜひ、手元に置くべき事典としてご紹介させていただきます。
『みんなの有機農業技術大事典』
共通技術編・作物別編(2分冊・分売不可) 発売日:2025年3月10日刊行 定価:44,000円 (税込) ISBNコード:978-4-540-24105-5 出版:農山漁村文化協会(農文協) 判型/頁数:B5判上製(函入2分冊) 各約1100頁 詳しくは特設サイト → https://ruralnet.or.jp/jiten/minnanoyuuki |
【参考文献】
1)JAcom農業協同組合新聞「有機農業 2万5000ha 10年で5割拡大 農水省」
2)農林水産省「有機農業をめぐる事情」
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