「中学生にできる地域おこし」をテーマに唐辛子を栽培・加工-長野県伊那市の伝統野菜「八房とうがらし」のラー油がふるさと納税の返礼品に!
自然共生都市の伊那市
長野県伊那市は、長野県の南部に位置しており、南アルプスと中央アルプスの二つのアルプスに囲まれた自然豊かな地域です。2006年に高遠町・長谷村を合併し、新・伊那市となりました。市の中央には天竜川と三峰川が流れており、その良質な三峰川水系の水と肥沃な土地をいかした農業が盛んで、米作りのほか、野菜、果樹、花卉などが生産されています。
高遠城址公園の桜が有名で春には遠方からも多くの観光客が訪れます。また、仙丈ケ岳を中心とする南アルプス国立公園の豊かな自然に恵まれており、スキー場や農業公園、温泉入浴施設などが整備された自然共生都市です。なかでも、伊那市長谷(はせ)地区は、豊かな自然と人々の営みがつくり上げてきた景観が自慢の中山間地で、全域が南アルプスエコジオパークに指定されています。
しかしながら、近年は人口の減少が進んでおり、人の手が入らない遊休農地も多くなったうえ、鳥獣被害が地域の農業に影響しています。
中学生が地域おこしに取り組む
そんななか、立ち上がったのが長谷中学校の生徒たち。
過疎化が進む地域を元気にしようと「中学生にできる地域おこし」をテーマに活動を開始。地域に出向き市民とふれあいながら自分達にできることを探し出し、地域住民の協力を得て、伊那市の伝統野菜である「八房(やつふさ)とうがらし」の栽培・加工を行い、イベントで販売するなどの活動を続けてきました。
「八房とうがらし」は、旧高遠藩主の内藤家にちなんでいることと、鳥獣被害にあいにくいことから選ばれ、地域の方々とともに育て、「長谷をとうがらしで真っ赤に染める景観保全」と「とうがらしを長谷の特産品とする」ことを考えたそうです。
伝統野菜「八房とうがらし」をラー油に
そして、この度、これを原料に作ったラー油が伊那市のふるさと納税の返礼品に新たに採用されました。このラー油の返礼品は、「長谷の太陽」、「鹿嶺の頂(かれいのいただき)」、「長谷の新緑」と名づけられた120ml瓶入りの3種類がセットになっています。
「長谷の太陽」は、赤く色づいた唐辛子から作られ、その赤色から連想した名前だそうです。「鹿嶺の頂」は、ラー油の3倍の唐辛子を使った辛みの強いエスニック風香味油。「長谷の新緑」は、青唐辛子から作った薄緑が特徴のガーリックオイルで、ふるさと納税限定品です。
伊那市では、「中学生の地域活性化に貢献したいとの思いからふるさと納税の返礼品として採用した」とのこと。2月末までに5千円以上を伊那市に寄付すると受け取ることができます。伊那市の自然ををふるさと納税で生徒さんの思いを応援したいですね。
【参考資料】
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