”伝統野菜を守る”タネの会社を起業した16歳の小林宙氏~『タネの未来-僕が15歳でタネの会社を起業したわけ』を出版
種苗流通会社「鶴頸種苗流通プロモーション」代表小林宙(こばやし そら)氏の初の著書となる『タネの未来-僕が15歳でタネの会社を起業したわけ』が刊行されました。
”伝統野菜を守る”ため中学3年で起業
小林氏は中学3年生のときに、種苗流通会社「鶴頸種苗流通(かくけいしゅびょうりゅうつう)プロモーション」を起業。全国各地の種苗店をめぐって集めた伝統野菜のタネを八百屋、花屋、本屋などのレジ周りに置いてもらって販売しています。
現在、東京学芸大学附属高校の2年生になった小林氏は、日本各地の伝統野菜を守るためのタネ流通の新しい仕組みづくりを目指し、全国規模の「タネ交換会」のプラットフォームづくりに力を入れているそうです。
初の著書『タネの未来』を刊行
『タネの未来-僕が15歳でタネの会社を起業したわけ』を出版するに至ったのは、取引先の一つである農文協・農業書センター(東京・神田神保町)の店長が、出版社の人に小林氏の話をしたことがきっかけ。
著書では、「なぜタネが大事なのか」「タネ業界をどう変えていこうとしているのか」のほか、日本の食文化や農業はもちろん、種子法や遺伝子組み換え作物などについても分かりやすく紹介しています。
ほかにもタネを巡る旅エッセイやお母さんによる子育てのお話、タネを使った研究アイデア等についても触れたりと内容は盛り沢山。
タネ業界のイベントや講演などでひっぱりだこの小林氏の著書は、一般の人たちがタネに関心を持ち、考えてもらうきっかけにぴったりの一冊です。
『タネの未来 僕が15歳でタネの会社を起業したわけ』
2019年9月17日書店発売 四六判164頁、1,600円(税別)。
-目次-
はじめに
第1章 タネについて考えてみる
・もしもこの世界からタネがなくなったら
・食べもののタネは、ふつうのタネとは全然違う
・じつは僕はオリジナルのトマトを栽培している
・メンデルの法則が、F1品種というハイブリッド品種を生んだ
・僕は遺伝子組替え作物を倫理観では語らない
・GM作物が起こし得る混乱について想定しよう
・タネをとってはいけないという法律がある
・タネを作る人の権利とタネをとる人の権利
・パッケージ販売というGM作物の儲けの構造
・こうして地球からタネが減っていく
第2章 伝統野菜を守るために
・世界にはまだまだ知らないタネがある
・伝統野菜のタネを未来に残したい!
・タネはいったいどうやって作られるか
・タネを巡る旅はやめられない
・僕の放浪癖の原点は夜逃げのような家族旅行
・多様性を守ることは僕たちの生存戦略だ
・タネがなくなれば、食文化もなくなる
・仕入れたタネをそのまま売るという信念
・苦いミズナが教えてくれた僕の本分
第3章 事業を立ち上げる
・念願の開業届を提出するまでの日々
・屋号「鶴頸種苗流通プロモーション」の意味
・オリジナルのタネ袋に込めた思い
・タネは、あえて置いてなさそうな店で売る
・直接タネや野菜を売るときの僕の流儀
・鶴頸種苗流通プロモーションのこれから
第4章 タネとの出会い
・2年目のアサガオがうまく育たなかった
・忘れていたドングリが、いつのまにか芽を出した
・花から野菜へ、そして裏庭から屋上へ
・昔の農業書は学びと笑いで満ちている
・屋上を飛び出し、ついに畑に進出
・世界が大きく広がった専門家との出会い
・農業界はたぶん、いいほうへ変わっていく
コラム1 僕の学校生活
コラム2 家族が語る僕のこと
付録 おすすめの伝統野菜
おわりに
出版はJA(農業共同組合)グループの出版・文化事業を営む団体である一般社団法人家の光協会から。
『タネの未来 僕が15歳でタネの会社を起業したわけ』は版元ドットコム、Amazonなどから購入できます。
【参考資料】
版元ドットコム
鶴頸種苗流通プロモーション
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