岐阜県立岐阜農林高等学校「まくわうり」ひろめ隊-パテントコンテストで特許庁長官賞受賞

 

平成30年度の「パテント・デザインパテントコンテスト」で岐阜県立岐阜農林高等学校まくわうりひろめ隊が特許庁長官賞を受賞しました。

「パテントコンテスト・デザインパテントコンテスト」は、文部科学省、特許庁、日本弁理士会、(独)工業所有権情報・研修館の共催によるコンテストで、高校生、高等専門学校生及び大学生による発明や意匠(デザイン)を表彰するものです。

コンテストの目的は、高校生、高等専門学校生及び大学生等の知的財産マインドを育てるとともに、知的財産権制度の理解を促進すること。入賞した発明や意匠には、特典として出願支援が行われ、弁理士の指導のもと、特許庁への出願から特許権または意匠権取得までの手続を実体験することができます。

平成30(2018)年度は、全国から応募された発明・デザインの中から、発明30件・デザイン31件の受賞者が決定しました。また、過年度に受賞した作品のうち事業化に成功している優秀な事例について特許庁長官賞が授与されます。

今回は平成27年度特許出願支援対象にしており、岐阜県立岐阜農林高等学校まくわうりひろめ隊(本巣郡北方町)の「まくわうりの風味を引き出したアイスクリーム」の製造方法が特許庁長官賞を受賞しました。

写真:岐阜県立岐阜農林高校

日本には、さまざまな品種の「うり」がありますが、その中でも「まくわうり」の歴史は古く、縄文時代早期の遺跡である奈良県の唐古・鍵遺跡からこの系統の「うり」の種子が発見されています。

まくわうりは、同校の近隣の岐阜県本巣郡真桑町が発祥の地とされており、弥生時代の後期である2世紀頃から栽培が行われていたそうです。現在の本巣市(以前は真正町)は、その昔は真桑村という地名で、特に良品の産地であったため、その名前がつけられたとのこと。

岐阜県立岐阜農林高等学校は、かねてから、伝統野菜である「まくわうり」の復活を目的に、「まくわうりの風味を引き出したアイスクリーム」の製造方法の検討を行ってきたそうです。

この発明は、平成27(2014)年度のパテントコンテストに入賞し、出願支援を受けて平成28(2015)年11月に特許権を取得しました。その後、同校では、まくわうりひろめ隊を結成し、生徒達によって本特許を活用した「まくわうりアイス」のパッケージデザインの改良や商品のPR活動を行ってきました。

平成29(2016)年8月には、本巣市、商工会、観光協会、企業と連携して「まくわうりグルメフェア」を主催。「まくわうりアイス」やこれを使ったパフェなどのスイーツを販売。ほかにも地元のイベントや百貨店での物産展などでPR活動や販売を行ってきました。現在では、地域の直売所や道の駅などでも販売しており、これまでに25,000個以上を販売してきました。

 

「パテント・デザインパテントコンテスト」の表彰式は、平成31年3月11日に東京のJPタワーホール&カンファレンスで行われます。

岐阜県立岐阜農林高等学校まくわうりひろめ隊の皆さん、特許庁長官賞おめでとうございます!

これからも伝統野菜のまくわうりを大切に守っていってください。

 

【参考資料】

岐阜県立農業岐阜農林高等学校「伝統野菜まくわうりを用いた地域産業へ向けた研究」
経済産業省 ニュースリリース
独立行政法人工業所有権情報・研修館
Gov base