日本の伝統野菜-16.富山県
1.地域の特性
【地理】
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【気候】
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【農業の特徴】
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2.富山の伝統野菜
富山県の伝統野菜は、北陸農政局が「北陸の地方野菜」としてリストにあげているもので、現在、富山市9種、呉東地方3種、呉西地方9種の全21種があります。
このリストのほかに、すでに絶滅してしまったとされる「富山三尺」、「富山かぶ」、「草島ねぎ」、「黒部西瓜」、「三谷きゅうり」、「上島ねぎ」などがありました。2005年頃から、これらを復活させようとする動きがあり、富山県内でも県農業技術センター・野菜花き試験所、県富山農業普及指導センターなどが生産農家とともに取り組んでいます。
ずいき(ずいき)
【生産地】富山市水橋町ほか
【特徴】赤いも八ツ頭(やつがしら)の茎の部分。ずいきはヤツガシラなどの赤い茎である赤ずいき、ヤツガシラなどを軟白栽培した白ずいき(白ダツ)、ハスイモの茎である青ずいきの3種類に分けられる。単に「ずいき」と呼んだ場合は赤ずいきを指す。
【食味】酢の物や干したものが食させる。酢の物は、昔から家庭料理として親しまれており、お盆や秋祭りの時によく作られる。乾燥させた干しずいきは煮物に使われる。酢ずいき、煮物、白和えなど
【来歴】日本へは縄文中期に伝わったと推定されるが、現在の栽培品種は江戸時代以降、明治から戦後にかけて導入され、選抜されたものが多い。
【時期】7~9月
くきたち(くきたち)
【生産地】富山市神明地区
【特徴】茎立菜(くきたちな)。なばなの一種。
【食味】葉はきわめて柔らかく、苦みがない。主に花蕾を含む若芽や茎も食用する。おひたし、煮物、一夜漬け
【来歴】石川や富山をはじめ福島、新潟、長野、山形など各地で江戸時代の頃より栽培されてきたが、なくなってしまった種も多い。
【時期】
かもり(かもり)
【生産地】富山市ほか
【特徴】冬瓜(とうがん)の一種。形状は、丸からりんご型や長楕円形。外皮は濃緑で白粉をふいている。
【食味】味にクセがなく、さまざまな料理に使われる。煮物、酢の物、和え物など
【来歴】近年、「かもり」の栽培は減少傾向にある。
【時期】7~ 8月
千石豆(せんごくまめ)
【生産地】富山市池多地区
【特徴】赤花系のふじまめで、草丈が3m程度となるつる性種。
【食味】日常の食膳に、また、精進料理として欠かすことができません。和え物、煮物、炒め物等
【来歴】古来から「つるまめ」と呼び、農家の自家用として栽培されてきたものが、昭和38年頃より早期穫りを試みて市場出荷したところ大変好評であったことから特産となった。
【時期】7月下旬~10月
銀泉まくわ(ぎんせんまくわ)
【生産地】富山市、砺波市ほか
【特徴】「菊メロン」と「黄マクワ」の交雑種で育成されたまくわうりとされる。大きさは平均400g程で、やや下膨れ気味の俵型。果実の表面は明るい黄色地で、8~10本の銀白色の縞模様が入るのが特徴。福井県では「きんかん瓜」との呼び名で古くから親しまれてきた。
【食味】果肉は白く、種の周りは比較的水分が少なく、中心部が空洞になっているものが多い。肉厚で肉質がよい。
【来歴】同地域で古くから栽培されてきた。来歴は平安時代にも遡るとされ、瓜の栽培が盛んだった岐阜県真桑村(現在は本巣郡)に由来するとされる。
【時期】7~9月
らっきょう(らっきょう)
【生産地】富山市(旧細入村・旧大沢野町)
【特徴】富山在来の「らくだ系」と呼ばれる系統。
【食味】重い雪の下で育つため、歯触り感が良い。
【来歴】文献に「天正の昔、佐々成政、上杉謙信に追撃せるや立山山麓の上新川郡船峅村船倉(旧大沢野町)に仮陣営を設け姉倉姫神社の境内にラッキョウを植え付け・・・・」とあることから、かなり古くから作付けされていた。
【時期】6月~7月
小佐波みょうが(こさなみみょうが)
【生産地】富山市(旧大山町)南砺市五箇山地区(旧平村・旧上平村)
【特徴】「夏みょうが」と「秋みょうが」がある。赤みがかった色合いが鮮やか。
【食味】シャキシャキとした食感と香りがよい。富山の伝承料理「みょうが寿司」などにも使われる。
【来歴】古くから福沢地域に広くみょうがが自生しており、それを採取しての庭先販売が行われていた。1966(昭和41)年に、ミョウガ生産の中心地区である小佐波地区の37戸で「小佐波地区ミョウガ生産組合」を結成し、県内及び関西市場への出荷を始めた。
【時期】夏と秋
あさつき(あさつき)
【生産地】富山市山室
【特徴】風味が豊かで、香りが強く、「ホタルイカ」に添える和え物で知られる。
【食味】春先に伸びた新芽を食べる。薬味和え物
【来歴】アサツキは、ネギよりも色が薄い。天然のアサツキは流通量が非常に少ないため、市場には出回らない。田んぼの畦などに自生するが採取出来る場所は限られる。
【時期】3月下旬~4月
中地山かぶ(なかちやまかぶ)
【生産地】富山市(旧大山町中地山)
【特徴】中かぶで根色は赤色。辛味が特徴で、育て方や場所が変わると特徴の辛さを出すのが難しいとされている。
【食味】肉質はやや硬め。さっと湯通しして、一夜漬けや酢漬けにすると、わさびのような辛味がある。香りが良い。郷土料理の漬物「かぶらぐき」に使われる。
【来歴】現在(2020年11月時点)、生産者は国内でも県内の農家2軒のみで、市場に出回ることがなく、消滅の危機に瀕している。中央農業高校の生徒たちが復活を目指している。
【時期】11月頃
入善ジャンボ西瓜(にゅうぜんじゃんぼすいか)
【生産地】下新川郡入善町
【特徴】ラグビーボールのような長楕円形の大型のスイカ。平均サイズは、長さ約40㎝、直径は約30㎝、重量は平均15kg~18kg、重いものだと25kgにもなる。外皮が厚く、大柄のしま模様がある。
【食味】サクサクとした歯ごたえと、爽やかな甘さと香りがある。
【来歴】黒部川扇状地は、水はけの良さから室町時代からスイカを栽培していたという記録が残っている。明治20年頃、アメリカから導入したラットルスネーク種が祖先。その後、品種改良を重ねて現在の「入善ジャンボ西瓜」となった。
【時期】7月下旬~8月上旬
大和(やまと)
【生産地】中新川郡上市町加積(なかにいかわぐん かみいちまち かづみ)
【特徴】丸型から俵型のさといも。
【食味】粘りがあってやわらかい。煮物や田楽に適す。
【来歴】南砺市山野地区では江戸時代中期1660年頃に加賀藩より琉球芋種が譲渡されたとの記録が文献に残っている。焼野地区では1720年に加賀藩より種イモが譲渡されて栽培が始まったと言われている。加積地方でも古くから栽培されている。
【時期】10~2月
あかざや(あかざや)
【生産地】下新川郡朝日町蛭谷(しもにいかわぐん あさひちょう ひるだに)
【特徴】
【食味】豆のサヤが柔らか。特産のバタバタ茶の茶請け用煮豆などに利用される。
【来歴】蛭谷地区において古くから栽培されていた。
【時期】
大和(やまと)
【生産地】南砺市 旧福野町、旧井波町
【特徴】丸型から俵型のさといも。
【食味】粘りがあってやわらかい。煮物や田楽に適す。
【来歴】南砺市山野地区では江戸時代中期1660年頃に加賀藩より琉球芋種が譲渡されたとの記録が文献に残っている。焼野地区では1720年に加賀藩より種イモが譲渡されて栽培が始まったと言われている。加積地方でも古くから栽培されている。
【時期】8月下旬~11月上旬
高岡どっこ(たかおかどっこ)
【生産地】高岡市
【特徴】果実の長さ20㎝、太さ6~7cm、重さ800g~1㎏程度と、太く、重いきゅうり。果肉が厚く、日持ちが良いのが特徴。
【食味】香りがあり、苦みが少ない。くずあんかけや詰め物などの伝統的な料理に多く利用される。温かい料理、冷たい料理ともによく合う。煮物、酢物、炒め物等
【来歴】「どっこ」とは、加賀方言で「太く短い」という意味。石川県と高岡市は加賀藩時代から、歴史的につながりが多く、生活習慣が類似しており、加賀藩時代に石川県から導入されたものと推定される。
【時期】5月下旬~8月上旬
ほうきぎ(ほうきぎ)
【生産地】南砺市 旧井波町
【特徴】別名「とんぶり」といい、アカザ科のほうきぎの種実を煮て果皮を除いたもの。直径1~2㎜の小さな緑色の実。加工して出荷される。
【食味】畑のキャビアともいわれている。
【来歴】報恩溝料理の一品として古くから親しまれてきた。
【時期】9月末~10月
五箇山かぶ(ごかやまかぶ)
【生産地】南砺市 旧平村
【特徴】紅かぶで、形は長形から扁円形まで様々なものがある。
【食味】肉質は緻密で貯蔵性が高い。根部は塩漬け、葉は干して保存される。
【来歴】五箇山では在来種の五箇山かぶが栽培されている。平家の落人が持ち込んだといわれる。かつては焼き畑農業で栽培され、各農家で脈々と採種を続けてきた。そのため、各農家でカブの色や形状が農家ごとに違っている。
【時期】10~11月
五箇山ぼべら(ごかやまぼべら)
【生産地】南砺市 旧平村
【特徴】両端のとがったラグビーポール型で、果皮は濃緑色で硬い。
【食味】肉質は粉質で、濃厚な甘さが特徴。煮物、スープ、スイーツ
【来歴】五箇山に伝わる在来種のかぼちゃ。約20年前には地元でもほとんど作られないほど廃れていたが、農家や県、市、JAなど関係機関が2017年に五箇山ぼべら推進協議会をつくってブランド化に取り組んでいる。
【時期】9月~
平野だいこん(ひらのだいこん)
【生産地】射水市(旧小杉町)平野地区
【特徴】葉は、濃い緑色。長さは40cm程度。
【食味】細長く硬い肉質。収穫後に寒風にさらして水分を抜き、沢庵に仕上げる。
【来歴】1930 年頃に導入されたたくあん用の青首大根。名は産地に由来。
【時期】10 月下旬~ 11 月
真黒なす(しんくろなす)
【生産地】高岡市 福田地区ほか
【特徴】「中長ナスの代表品種である「千両二号」の片親であり、中長ナスの原型ともいわれる固定種。「軟らかいほやほやの真黒なす」といわれ、焼きなす等で食べられていた。
【食味】煮物、漬物、焼きなす
【来歴】明治時代から栽培されていたとされる。50年ほど前(1969年頃)、関東を中心に流通していたが、現在では、種子を販売しているところすら、ほとんどなくなってしまった。純系は、ほとんど作られなくなったが現在でも交配種(F1種)の片親として有望な品種で、品種改良などに利用されている。
【時期】
みずぶき(みずぶき)
【生産地】射水市(旧新湊市)
【特徴】茎細く、明るい緑色、葉は小形、品質良好であるが早生ではない。旧新湊市の七美・片口地区で栽培されている。ふきのとうは茎の長さが30cm程度の山ふき。茎の長さが80cm程度の早生ふき
【食味】水島柿の下地に植えられていることが多く、柿の半陰になって適量の日差しを受けることから、軟らかく風味が豊か。すっきりした風味とシャキシャキした歯ごたえ。ふきのとうの天ぷら、ふきみそ、ふきの青煮、きゃらぶき、煮物、和え物
【来歴】日本原産の山菜
【時期】ふきのとう2~3月、ふき4~6月
金屋ねぎ(かなやねぎ)
【生産地】南砺市 旧庄川町
【特徴】旧庄川町の金屋地区で栽培されている葉ねぎ。
【食味】とろけるような食感が特徴で、独特の甘みがあり、煮物に最適。
【来歴】
【時期】
<参考資料>