日本の伝統野菜―06.山形

目次

1.地域の特性

【地理】

東北地方の南西部に位置する山形県の面積は、9,325.15km2で、全国9位の面積を有しています。

山形県は、日本海に面する西側以外の内陸部は山地に囲まれており、総面積に対する森林の割合が7割強を占めています。農業用地の割合は15%ほどです。

内陸部の北部は、秋田県との県境にまたがる丁岳(ひのとだけ)山地と神室(かむろ)山地が連なっています。東部は、隣接する宮城県との両県南部の境に、船形山(ふながたやま)、蔵王連峰(ざおうれんぽう)を擁する奥羽山脈(おううさんみゃく)系の山々が南北に縦走しています。南部は、福島県と新潟県、山形県の三県にまたがる飯豊山地(いいでさんち)と、福島県との県境に吾妻山山系(あづまやまさんけい)が東西に走っています。

また、山形県中央部には、奥羽山脈と平行する形で、鳥海山(ちょうかいさん)、月山(がっさん)を擁する出羽丘陵(でわきゅうりょう)と朝日山地(あさひさんち)が南北に縦走しており、まさに山地に囲まれた地形になっています。

そのため、内陸部は盆地となり、北から新庄盆地(しんじょうぼんち)、山形盆地(やまがたぼんち)(村山盆地(むらやまぼんち)ともいう)、米沢盆地(よねざわぼんち)(置賜盆地(おきたまぼんち)ともいう)があります。出羽丘陵は奥羽山脈よりも緩やかで、山地を横断する米代川(よねしろがわ)、雄物川(おものがわ)、最上川(もがみがわ)によって分割された複数の丘陵地があります。中央には最上川が流れており、県民の多くがこの川の流域に住んでいます。

日本海側は、出羽丘陵から西に、最上川と赤川(あかがわ)の堆積作用により形成された庄内平野(しょうないへいや)が広がっています。

山形県は、これらの盆地と平野から村山地方、最上地方、置賜地方、庄内地方の4つの地方にわかれており、各地方で気候・文化などの面で違いがあります。また、山形県の出先機関として、それぞれに総合支庁が置かれています。

  • 村山(むらやま)地方

山形市、寒河江市、上山市、村山市、天童市、東根市、尾花沢市、東村山郡山辺町・中山町、西村山郡河北町・西川町・朝日町・大江町、北村山郡大石田町

  • 最上(もがみ)地方

新庄市、最上郡金山町 – 最上町 – 舟形町 – 真室川町 – 大蔵村 – 鮭川村 – 戸沢村

  • 置賜(おきたま)地方

米沢市、南陽市、長井市、東置賜郡高畠町 – 川西町、西置賜郡小国町 – 白鷹町 – 飯豊町

  • 庄内(しょうない)地方

酒田市、鶴岡市、東田川郡三川町- 庄内町、飽海郡遊佐町

 

【気候】

山形県は日本海に面しており、気候区分は日本海側気候に分類されますが、気象特性は、内陸部の最上地方、村山地方、置賜地方と日本海に面する沿岸部の庄内地方に、それぞれわけられます。

内陸部は一般的に気候が温暖で気温較差が大きいのが特徴です。

最上地域は、降水量が多く、冬季は積雪、夏季には大雨がみられます。

村山地域の平野部は夏の気温は高く、降水量・降雪量ともに少ない地域ですが、北部は豪雪地帯で、月山、朝日山系の山間部は全国有数の多雨・多雪地帯となっています。

置賜地方は穏やかな気候で、夏の気温は高いですが、冬は豪雪地帯で吾妻山系の山間部は多雪地帯となっています。

庄内平野を中心とする海岸部は海洋性気候の特徴を持ち、多雨多湿です。冬季は降雪量は少ないですが、北西の季節風が強く吹雪くこともあります。春から秋は温暖な気候の穀倉地帯です。

 

【農業の特徴】

山形県の農業産出額は、2,441億円(平成29年度)で全国順位14位です。

主要農産物は水稲で、県内の農業産出額の38.7%を占めています。収穫量でみると全国4位となっています。(農林水産省「平成30年産水陸稲の収穫量」より)

果物の生産も盛んで、さくらんぼ、ぶどう、りんご、スイカ、西洋梨が主要農産物になっています。なかでも、さくらんぼと西洋なしの出荷量は、全国シェアの約7~8割を占めトップに立っています。ぶどう・りんご・スイカ・メロンも上位3~4位の出荷量です。ほかにも、イチゴ、日本なし、桃、すもも、柿、干し柿、ブルベリーなどが出荷されており、、野菜よりも果物の生産が多い地域です。

野菜は、枝豆と山菜が多く収穫されています。山地に囲まれた地域だけに山菜の宝庫であり、「わらび」と「たらの芽」の収穫量は日本一となっています。

ほかには、トマト、なす、ニラ、アスパラガス、さといも、きゅうり、ねぎ、だいこんといった一般的な野菜や食用菊、おかひじきも生産・出荷しています。

 

2.山形の伝統野菜

山形県では、伝統野菜について、毎年、村山・最上・置賜・庄内の各地域の総合支庁で生産状況や生産量等を継続的に調査しています。現在は「食の至宝 雪国やまがた伝統野菜」として85品目が認定されています(2019年11月時点)が、このほかにも地域で守り受け継がれてきた伝統野菜が数多く残っています。

山形県における伝統野菜としての選定基準は以下を満たしたものとしています。

①当該地域で栽培・利用されてきた固有の野菜

②自家採種により品種・系統が維持されているもの

③年代は概ね昭和 20 年(戦前)から栽培されているもの

④現在、種子や苗の入手が可能なもの

しかし、現在、認定されている伝統野菜でも、すでに生産農家が一軒しか残されていないものや、タネの入手が困難になっているものなど絶滅寸前の危機にある品種がいくつかあります。

 

【村山地区の伝統野菜】

❏山形赤根ほうれん草(やまがたあかねほうれんそう)

❏山形青菜(やまがたせいさい)

❏おかひじき(おかひじき)

❏もってのほか(もってのほか)

❏蔵王かぼちゃ(ざおうかぼちゃ)

❏悪戸いも(あくどいも)

❏堀込せり(ほりごめせり)

❏三河ぶき(みかわぶき)

❏金谷ごぼう(かなやごぼう)

❏小笹うるい(おざさうるい)

❏ねまがりたけ(ねまがりたけ)

❏南沢かぶ(みなざかぶ)

❏来迎寺そば(らいごうじそば)

❏子姫芋(こひめいも)

❏次年子かぼちゃ(じねごかぼちゃ)

❏次年子かぶ(じねごかぶ)

❏牛房野かぶ(ごぼうのかぶ)

 

【最上地区の伝統野菜】

❏神代豆(じんだいまめ)

❏角川かぶ(つのかわかぶ)

❏最上赤にんにく(もがみあかにんにく)

❏甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)

❏勘次郎胡瓜(かんじろうきゅうり)

❏畑なす(はたなす)

❏くるみ豆(くるみまめ)

❏金持ち豆(かねもちまめ)

❏久五郎豆(きゅうごろうまめ)

❏青端豆(あおばたまめ)

❏青ばこ豆(あおばこまめ)

❏青黒(あおぐろ)

❏雁喰(がんぐい)

❏黒五葉(くろごよう)

❏最上かぶ(もがみかぶ)

❏長尾かぶ(ながおかぶ)

❏エゴマ(えごま)

❏ひろっこ(ひろっこ)

❏漆野いんげん(うるしのいんげん)

❏肘折かぶ(ひじおりかぶ)

❏肘折(赤頭)だいこん

❏弥四郎ささぎ(やしろうささぎ)

❏雪割菜(ゆきわりな)

❏とっくりかぶ(とっくりかぶ)

❏からとり芋(からとりいも)

❏ようのこ豆(ようのこまめ)

❏吉田かぶ(よしだかぶ)

❏石名坂かぶ(いしなざかかぶ)

❏米さずべ芋(よねさずべいも)

❏西又かぶ(にしまたかぶ)

❏畑いものこ(はたいものこ)

 

【置賜地区の伝統野菜】

❏おかひじき(おかひじき)

❏紅大豆(べにだいず)

❏薄皮丸なす(うすかわまるなす)

❏小野川豆もやし(おのがわまめもやし)

❏雪菜(ゆきな)

❏うこぎ(うこぎ)

❏窪田なす(くぼたなす)

❏遠山かぶ(とおやまかぶ)

❏馬のかみしめ(うまのかみしめ)

❏宇津沢かぼちゃ(うつざわかぼちゃ)

❏八ツ房なす(やつふさなす)

❏つくも高菜(つくもたかな)

❏花作大根(はなづくりだいこん)

❏高豆蒄うり(こうずくうり)

❏畔藤きゅうり(くろふじきゅうり)

❏梓山だいこん(ずさやまだいこん)

❏小野川あさつき(おのがわあさつき)

❏夏刈ふき(なつがりふき)

❏おかめさざき(おかめさざき)

 

【庄内地区の伝統野菜】

❏だだちゃ豆(だだちゃまめ)

❏温海かぶ(あつみかぶ)

❏あさつき(あさつき)

❏赤ねぎ(あかねぎ)

❏田川かぶ(たがわかぶ)

❏うるい (うるい)

❏民田なす(みんでんなす)

❏野良だいこん(のらだいこん)

❏酒田きゅうり(さかたきゅうり)

❏藤沢かぶ(ふじさわかぶ)

❏からとり芋(からとりいも)

❏紫折菜(むらさきおりな)

❏外内島きゅうり(とのじまきゅうり)

❏早田うり(わさだうり)

❏宝谷かぶ(ほうやかぶ)

❏小真木だいこん(こまぎだいこん)

❏かつを菜(かつをな)

❏萬吉なす(まんきちなす)

❏大滝にんじん(おおたきにんじん)

❏與治兵衛きゅうり(よじべえきゅうり)

 

※おかひじきは村山・置賜の両地区、からとり芋は最上・庄内の両地区で伝統野菜としています。

以下の紹介順は「食の至宝 雪国やまがた伝統野菜」一覧の番号に従っています。

❏山形赤根ほうれん草(やまがたあかねほうれんそう)

【産地】村山地区>山形市、天童市、上山市

【特徴】山形地方の在来種で、種をまいても無事に収穫できるのは約半分という貴重なほうれんそう。根や葉の付け根が赤い。耐寒性があり雪折れにも強くしなやか。一株あたり200~300gの大株となる。

【食味】軟らかく、あくが少なく甘みが強いのが特徴。お浸し、和え物、汁物、炒め物など幅広く使える

【来歴】山形市風間の農家が昭和2~3年頃、栽培した中から葉柄基部や根部の赤味の濃い株を選抜。日本在来種(角種)の秋播き品種。

【時期】露地:10月中旬~1月下旬、ハウス:11月上旬~3月上旬

❏山形青菜(やまがたせいさい)

【産地】県内全域

【特徴】タカナの一種。一株が500g、丈が70~80cmと大きい。幅広の葉肉は厚くて軟らかく、また漬け込んでも軟化しにくく歯ざわりの良いのが特徴。

【食味】独特の辛味と食感があり、青菜漬けやおみ漬けなど、山形の郷土料理として利用される。

【来歴】明治41年に奈良県から種子を導入し、農事試験場(現・農業総合研究センター)で試作した結果、品質が優れていたことから栽培が始まった。

【時期】10月中旬~12月上旬

❏おかひじき(おかひじき)

【産地】村山・置賜地域

【特徴】海岸に自生するアカザ科の一年草。形が海草のひじきに似ていることから「おかひじき」と称される。全国でも山形県南陽市がおかひじき発祥の地とされている。

【食味】独特のシャキシャキとした食感が楽しめる。

【来歴】江戸時代初期に最上川を利用して内陸に伝えられ南陽市で栽培されたのが始まりである。昭和50年代から首都圏市場への出荷が始まった。

【時期】旬は5月頃、ハウス物は3月下旬~11月上旬

❏もってのほか(もってのほか)

【産地】村山地域・置賜地域

【特徴】香りや風味の良い淡い紫色の食用菊。花色は淡紫色あるいは紫紅色で地域によってばらつきがある。花弁は管弁、半管弁の八重で中輪。

【食味】花びらが筒状のためシャキシャキした歯ごたえがあり、ほのかな香りや甘み、ほろ苦さが特徴。

【来歴】秋ぎくで来歴は明らかでない。正式な品種名は「延命楽」だが、山形では「もってのほか」、「もって菊」と呼ばれている。名前の由来は、「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか」とか「もってのほかおいしい」といったことから付けられたといわれる。

【時期】10月中旬~11月中旬

❏神代豆(じんだいまめ)

【産地】最上地域>鮭川村曲川楢山

【特徴】莢も豆も大きく、枝豆にしたときの独特の甘味と風味が特徴。

【食味】実が大きく、独特の甘みと風味がある。

【来歴】大友家で「なっしょ(苗代)豆」として栽培されていたもののうち、枝豆で食べた時、特に風味がよいものを選抜したもの。平成17年に「楢山(ならやま)神代豆」で商標登録した。

【時期】9月下旬~10月中旬

❏角川かぶ(つのかわかぶ)

【産地】最上地域>戸沢村角川

【特徴】形は短く細い。上部は赤か紫色で下部は薄く色づく。交配が進んでおり、形と着色の程度は同じ集落内でも様々である。各家々で好みにあったかぶを選抜しているという。

【食味】肉質はしまって歯ざわりがいい。甘酢漬け、甘酒漬けなど

【来歴】昔からこの地域で栽培されてきた。

【時期】11月上旬

❏最上赤にんにく(もがみあかにんにく)

【産地】最上地域>真室川町、最上町、戸沢村岩清水

【特徴】普通のにんにくより大粒で、1片15g、1球100g前後。側球数は6個前後。鱗片の皮が赤紫に着色する。貯蔵性に優れ芽が出にくい。

【食味】生では辛味が強いが、焼くとほくほくとした食感になり甘味が出るのが特徴。味は濃厚で、貯蔵に優れ3月頃まで貯蔵しても萌芽はあまりしない。にんにくごんぼ(すりおろして味噌と合え、ごぼうをつけたもの)、揚げ物などに使われる。

【来歴】最上地域各地に古くから栽培される。外皮が赤紫色のためこの名がついた。

【時期】6月下旬~7月上旬

❏甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)

【産地】最上地域>真室川町小川内

【特徴】普通の里芋よりも子芋、孫芋が細長くなり、ぬめりが多く柔らかい。

【食味】親芋も柔らかく食べられる。芋煮はもちろん洋食でも注目されている食材。

【来歴】室町時代から400年以上続く佐藤家の家宝として伝わる里芋。屋号から名が付き、現在20代目となる。種芋を冬越しする方法は一子相伝で門外不出。

【時期】10月~霜降期前

❏勘次郎胡瓜(かんじろうきゅうり)

【産地】最上地域>真室川町

【特徴】実は黄緑色で、一般的なキュウリより短めで太く形はずんぐりしている。ピクルスや塩漬けにしても色がきれいなまま変わりにくい。

【食味】水分が多く柔らかで生食に適している。生食、漬物・ピクルスなど

【来歴】明治の頃、鮭川村京塚から真室川町差首鍋に伝わったことが、真室川町での栽培の始まり。もともと種を受け継いだ旧家の屋号から名前がついた。

【時期】7月中旬〜9月上旬

❏畑なす(はたなす)

【産地】最上地域>新庄市本合海

【特徴】直径が10cm程度の丸なすで、賀茂なすに似ている。交雑しにくく、苗1本あたりの収穫量は10個と通常のなすより実はつきにくい。

【食味】皮が柔らかく、調理しても形が崩れにくいため、焼くのにも煮るのにも適している。米なすより味が良く濃厚。煮物、味噌炒り、漬物などで食される。

【来歴】新庄市本合海字畑で100年以上前から集落全体で栽培されてきた大型の丸なす。

【時期】6月下旬〜10月中旬

❏紅大豆(べにだいず)

【産地】置賜地域>川西町

【特徴】品種特性は不明。赤豆の成分を調べたところ、「GABA」や「オルニチン」を含み、「大豆イソフラボン」が一般大豆より多く含まれていることなどが解っている。

【食味】煮豆、大豆加工品原料、菓子原料

【来歴】山形県川西町内において煮豆用として少量生産されていたもの。町内において「赤豆」とも呼ばれ、主に煮豆用として地域の食文化を伝えてきた。紅大豆は県内外の実需者から注目を受けており、試作等の要望も多いが、収穫量が20t程度と需要に供給が追いついていない状況である。近年、この「赤豆」を復活されるべく生産組織が立ち上がり、生産拡大が図られるとともに、様々な新商品が生み出されている。

【時期】10月下旬

❏だだちゃ豆(だだちゃまめ)

【産地】庄内地域>鶴岡市白山地域

【特徴】味と香りが特にすぐれていることから、全国的に有名。さやが茶色で一つのさやに2粒入っているものが多い。時期により、「早生甘露」「甘露」「早生白山」「白山」「晩生甘露」「尾浦」の6系統がある。

【食味】味は、独特の風味と甘さ、旨みがある。茹でて食す。

【来歴】今から100年以上も前から鶴岡で栽培されている枝豆。だだちゃは庄内地方の方言で一家の主の意味。殿様に献上した際に、味の良さから「これはどこのだだちゃのまめか?」と尋ねたことからその名が付いたと言われる。(諸説有り)

【時期】7月~9月

❏温海かぶ(あつみかぶ)

【産地】庄内地域>鶴岡市温海地域

【特徴】西洋種の赤かぶ。直径約7cm、高さ5~6cmほど。濃い赤紫色で丸い。根部外皮は肥大に伴って地上部に露出し、日の当たらないところまで濃く鮮やかな紫赤色に着色する。皮は薄く、肉質は白色で締まっている。昔ながらの焼き畑で栽培されている。

【食味】皮は薄く、肉質は緻密でやや堅く、甘みがある。酢の物、甘酢漬けなどで食す。

【来歴】原産は中央アジア、シルクロードを経て日本に伝わったと言われる。天明5年(1785年)に徳川幕府に献上したとの記録が残されている。鶴岡市温海地区一露で400年来、昔ながらの焼畑自然農法で作られている。庄内全域で栽培されているが、温海かぶの名称が使用できるのは温海地区のみ。

【時期】10月~12月

❏あさつき(あさつき)

【産地】庄内地域>酒田市袖浦地区

【特徴】センボンワケギともいう。野生のものの中から、比較的食用に供されているものを選抜したもの。長さ30~40cm で淡緑色で盛んに分げつする。春に抽薹(ちゅうだい)し、5月下旬~6月頃に開花。ハウス緑化栽培が行われている。最近は、健康志向や食の多様化などから関東地方での人気がますます高くなっている。風邪予防や疲労回復に効果的。

【食味】しゃきしゃきした食感と特有の香りと辛味。生ではニンニクに似た香りと辛みがあり、加熱すると辛みが甘みに変わる。おひたしや酢味噌和えにして食べられる。

【来歴】庄内の冬の味覚として有名。

【時期】12月下旬~4月中旬

❏赤ねぎ(あかねぎ)

【産地】庄内地域>酒田市平田地区

【特徴】一般的な長ねぎの白い部分(葉鞘部)が赤くなるのが特徴。一本のまっすぐ伸びた赤ねぎは全国的にも珍しい。現在は、耐寒性のある分げつのでない一本ネギ系統が選抜され生産拡大・県外出荷されている。

【食味】生で食べると辛味が強く、火を通すとトロッとして甘みが強くなる。薬味、焼きねぎ、鍋物で食す。

【来歴】北前船が日本海を往来していた江戸時代末期に平田町に立ち寄った上方商人からお礼として種子をもらったのが始まりとされる。栽培をはじめた当時、赤ねぎは薬用としても貴重なもので、ねぎ味噌を熱湯に溶いて風邪薬として飲んだり、擦り込んだ赤ねぎを痛み止めとして患部に貼り付けたりしていた。

【時期】10月~12月

❏田川かぶ(たがわかぶ)

【産地】庄内地域>鶴岡(旧西田川郡温海町)

【特徴】土から取り出したばかりの田川は深い赤紫色で、温海かぶに比べて平たい形が特徴。

【食味】シャキシャキとした食感とかぶ特有の辛味がある。ほとんどが赤かぶ漬けに加工されるため、生では手に入りにくいが、辛味を楽しみたいなら生でサラダに、また日を通すと驚くほど甘くなるため、炒め物やオーブン料理、味噌汁にも合う。

【来歴】温海かぶをルーツに持ち、同様に焼畑農法で栽培される。

【時期】10月~11月

❏うるい (うるい)

【産地】庄内地域>遊佐町・新庄市・真室川町・最上町・鶴岡市・金山町・上山市・寒河江市・尾花沢市・酒田市ほか

【特徴】うるいはユリ科の多年草で、山野に自生する山菜。

【食味】サクッとした歯応えでクセがなく、軽いぬめりも魅力。最上地方では同様の促成栽培でも、光を遮断して「雪うるい」のブランド名で葉の白さと柔らかさを強調したうるいを生産しています。

【来歴】オオバギボウシとも言われ、北海道から本州にかけて多く自生し、薄紫色の花を咲かせる。

【時期】促成栽培:2月上旬~3月下旬 露地栽培:4月中旬~5月上旬

❏蔵王かぼちゃ(ざおうかぼちゃ)

【産地】村山地域>山形市蔵王地区

【特徴】果実の中身(心皮)が下に露出するターバンスカッシュタイプの西洋かぼちゃ。果皮は灰白青色で果肉はきわめて硬く、へその部分が約10cm程度で大きい。マサカリやナタを使わないと切れないほど硬く「マサカリかぼちゃ」とも呼ばれてきた。

【食味】食味がよくホクホク感があり長期間保存しても風味が落ちないのが特徴。室内なら3月まで保存可能。煮物、揚げ物で調理する。

【来歴】蔵王成沢の農家が、昭和23年、旧中川村中山地区(現上山市)の実家から種子を持ち込んだのが始まり。

【時期】9月中旬〜10月上旬

❏悪戸いも(あくどいも)

【産地】村山地区>山形市悪戸地区

【特徴】普通の品種よりも収穫時期が遅い。

【食味】普通のさといもより粘りが強く、粘りと、口の中でふわりと溶ける食感。長時間煮込んでも煮崩れしない。芋煮、煮物に使われる。

【来歴】山形市西部地区の須賀川地域で地下水の高い砂地で栽培されてきた土垂系統の品種。悪戸とは地名で、芥(あくた)と同じ語源で川が淀んで土砂が堆積する肥沃な場所を意味する。

【時期】10月中旬~12月上旬

❏堀込せり(ほりごめせり)

【産地】村山地域>山形市前明石地区、堀込地区

【特徴】香りがよく、茎はシャキシャキとしてやわらかい。甘味がある。

【食味】シャキシャキした食感と香りがよいのが特徴。郷土料理の納豆汁にかかせない食材。鍋物、おひたし、汁物にも使われる。

【来歴】掘込せりは、昭和20年(1945年)代に日本古来の野菜である野生のセリから選抜して栽培したのが始まりとされている。地下水の豊富な山形市前明石地区(須川沿い)を中心に栽培されてきた。

【時期】10月上旬~3月下旬

❏三河ぶき(みかわぶき)

【産地】村山地域>山辺町三河尻地区

【特徴】市場では食感の良さの評価が高い。

【食味】シャキシャキとした食感。近辺のお祭り料理に欠かせない一品。炒め物、鍋物、煮物などに使われる。

【来歴】昭和初期に須川沿いの肥沃な砂質土がある山辺町三河尻地区に持ち込まれたとされる。

【時期】路地:5月上旬〜5月中旬、ハウス:4月下旬〜5月上旬

❏金谷ごぼう(かなやごぼう)

【産地】村山地域>上山市金谷地区

【特徴】直径は2〜3cm、長さは1m前後で根の先端近くまで太さが一定になるのが特徴。通常のごぼうよりも根の先まで太いため機械ではなく手作業で収穫する。

【食味】根の先まで太く、肌が白くなめらかで、すが入りにくく軟らかい。アク抜きせずに調理できるほどアクが少なく香り高い品種。

【来歴】江戸時代後期に上山市金谷の農家が山形市内から種子を持ち込んだのが栽培の始まりで、その子孫が代々種子を守り継いでいる。

【時期】10月中旬〜12月中旬

❏小笹うるい(おざさうるい)

【産地】村山地域>上山市小笹地区

【特徴】鮮やかな葉の緑と真っ白い茎のコントラストが美しい。この対比を出すためには高度な栽培技術が必要。

【食味】通常のものに比べて茎が太く、ぬめりの強いがクセがなく美味しい。

【来歴】明治20年代後半に上山市の男性が山中で見つけたものを採取し、里で栽培したのが始まりと言われる。

【時期】2月下旬〜5月中旬

❏ねまがりたけ(ねまがりたけ)

【産地】村山地域>西川町、朝日町、大江町

【特徴】雪解けとともに、雪の水分を吸って成長するため、月山周辺の町村では、積雪6mを超える豪雪地帯ならではの、瑞々しい澄んだ味、香りに育ち、良質のものが生産される。

【食味】やわらかくコリコリ、サクサクとした歯ごたえと、コクのある旨み。堅い根元は切り落とし、皮つきのまま、茹でたり、焼くなどして食す。汁物、鍋物、天ぷらなどに使われる。

【来歴】高山性のササでチシマザサと呼ばれ、根元付近が曲がって地面に接し、上部に持ち上がることから「ねまがりたけ」と呼ばれている。地元では栽培のものを「ねまがりたけ」、山採りのものを「月山筍」として区別する。

【時期】5月下旬~7月中旬

❏南沢かぶ(みなざかぶ)

【産地】村山地域>尾花沢市、大石田町

【特徴】大根のような形の長かぶ。長さ30cm、太さ4~5cmほど。表面は全体的に紫がかった薄紅色で、内部は白いが中心部に赤芯があり、根の内部にも色素が入っている。

【食味】肉質は硬いため煮物には向かず漬物に使用される。硬質な辛味とっパリッとした歯ざわり。

【来歴】江戸時代から続く赤かぶ。先祖代々種を受け継ぐほど山形では親しまれている。

【時期】10月下旬〜11月中旬

❏来迎寺そば(らいごうじそば)

【産地】村山地域>大石田町来迎寺地区

【特徴】現在、大石田町のそば生産組合が中心となり、原種を隔離栽培して、特性の維持と種子の増殖を行っている。収量性は「最上早生」よりやや低い。

【食味】そば粉にすると「最上早生」より白く独特の風味がある。年越ししても味落ちが少なく、製粉歩留りもよい。

【来歴】大石田町来迎寺地区に古くから伝わる在来種。

【時期】10月中旬

❏子姫芋(こひめいも)

【産地】村山地域>寒河江市皿沼地区

【特徴】里芋の一種。非常になめらかな食感が特徴。

【食味】食感は繊維質が細かく、なめらか。トロっと粘りがあり、柔らかで、甘みがある。主に煮物や芋煮鍋で食す。

【来歴】福島県会津地方から、土垂系の種芋を取り寄せて始めたといわれ、江戸末期から受け継がれている。悪戸いもの原種とも言われる。近年、生産者組合を組織し、より良質の子姫芋の生産を推めている。

【時期】11月上旬~冬期は雪室で貯蔵するため、年明け5月ごろまで出回る。

❏くるみ豆(くるみまめ)

【産地】最上地域>舟形町・新庄市近辺

【特徴】くるみのようなコクのある味がすることから名前がついた。舟形産はさやが大きく、豆は扁平で白っぽい。真ん中に模様がある。新庄産は舟形町で栽培されるくるみ豆より黄色っぽく丸い。どちらも真ん中に白い筋で花びらのような模様が出るのが特徴。

【食味】味噌、枝豆や煮豆など。

【来歴】舟形産は、昔は山形と宮城の県境で栽培が盛んで最上町付近で栽培されていた。新庄産は、昔から新庄市近辺で栽培されてきた。味噌に加工すると美味しいことから栽培されてきた。

【時期】10月中旬

❏金持ち豆(かねもちまめ)

【産地】最上地域>新庄市野中

【特徴】中晩生種の大豆。蒸ちゃく性に優れ、味噌の原料として使われている。

【食味】ふっくらとしておいしい豆。

【来歴】昭和20年に鮭川村から野中に持ち込まれた。元は鮭川村京塚で栽培されていた豆で、偶然出てきた大粒で味のよいものを選抜し、その屋号で「丑(うし)豆」と呼ばれていた。この家から野中に来た人が豆を持ち込み栽培が広がった。「みんな金持ちになったらいいな」との思いを込めて「金持ち豆」と名付けられた。

【時期】10月下旬

❏久五郎豆(きゅうごろうまめ)

【産地】最上地域>最上町本城

【特徴】丸い豆。

【食味】味噌にするとおいしいことから加工販売している。味噌、ひたし豆などに使われる。

【来歴】昔からこの地域で栽培されていた。以前は大土(だいど)豆と呼ばれていたが、形状が今のものになってから栽培者の屋号で呼ばれている。

【時期】10月下旬

❏青端豆(あおばたまめ)

【産地】最上地域>管内全域

【特徴】青豆。緑色の大豆で、甘みが強い。

【食味】主に正月用の煮豆として利用されてきた。煮豆やずんだ餅用のずんだ、枝豆などで食される。

【来歴】管内で幅広く栽培されている。

【時期】10月下旬

❏青ばこ豆(あおばこまめ)

【産地】最上地域>戸沢村角川、真室川町

【特徴】莢が大きく、種子はやや平たい。真ん中に白い筋で花びらのような模様があるのが特徴。乾燥しても青みが残っている。色が変わらず長期保存が可能。

【食味】きな粉、煮豆、枝豆など

【来歴】昔からこの地域で栽培されてきた。

【時期】9月下旬

❏青黒(あおぐろ)

【産地】最上地域>新庄市、舟形町、真室川町

【特徴】青豆の一種だが、他の青豆より黒っぽく丸い。

【食味】風味がよく乾燥しても青みが残ることから青きな粉としても食す。煮豆、枝豆など

【来歴】いつから栽培されているか不明だが、幅広く栽培されている。

【時期】11月上旬

❏雁喰い(がんくい)

【産地】最上地域>新庄市・舟形町・鮭川村

【特徴】黒豆の一種。豆の真ん中に雁がかじったような模様が出ることからこの名前がついた。黒五葉よりも一回り大きく、やや平たい。

【食味】煮ると柔らかくて甘みがある。黒豆煮のほか、若いうちに収穫して枝豆として食べても美味しい。煮豆、天ぷら、なますなどに使われる。

【来歴】東北地方に昔から根付いている黒豆の一種。

【時期】枝豆: 9月下旬、大豆:11月上旬

❏黒五葉(くろごよう)

【産地】最上地域>管内全域

【特徴】形は丸く香ばしい香がある。一つの枝に5枚の葉がついていることから「いつつば(ぱ)豆」とも呼ばれる。

【食味】正月の黒豆の煮豆、枝豆など

【来歴】来歴は不明。昔は水田の苗代やあぜなどで栽培され「なっしょ(苗代)豆」とも呼ばれていた。幅広く栽培されている。

【時期】9月中旬

❏最上かぶ(もがみかぶ)

【産地】最上地域>新庄市近辺

【特徴】種子は種苗店でも扱われているが、かぶの形状が長くなるものと丸くなるものが現れる。土に隠れている部分は白く、土から出た部分がきれいな赤紫色になるのが特徴。

【食味】肉質は柔らかい。甘酢漬けなど

【来歴】新庄市近辺で昔から栽培されている。

【時期】11月上旬

❏長尾かぶ(ながおかぶ)

【産地】最上地域>舟形町長尾

【特徴】全体が細長く、上部は赤色で下部にいくにつれ薄く桃色に色づく。真ん中くらいから曲がっているのも特徴。

【食味】内部は白くきめの細かい肉質。食感は柔らかく食べ方は多様。味噌和え、甘酢漬け、ふすべ漬け、川ガニ汁など

【来歴】昔からこの地域で栽培されてきた。村山の南沢に伝わり南沢かぶとなったと言われる。

【時期】10月下旬~11月上旬

❏エゴマ(えごま)

【産地】最上地域>戸沢村

【特徴】取れる油は乾性油であり、昔から盛んに利用されてきた。 別名「白あぶら」とも呼ばれる。

【食味】葉:お茶、キムチ漬け 種子:精油

【来歴】日本では古くから食用または油を採取するために栽培されてきたシソ科作物。

【時期】葉:7月下旬、種子:10月下旬

❏ひろっこ(ひろっこ)

【産地】最上地域>管内全域

【特徴】あさつき。太陽の光を当てないよう雪の下から収穫したものを「ひろっこ」と呼び出荷している。雪の下から掘り出して芽出しするため、雪の多い時期は掘り出すのに労力を要する。きれいに洗い、細かい芽をひとつひとつ切るなど、出荷までの手間が多い。

【食味】野山から採取したものより、芽が黄色く柔らかで甘味がある。おひたし、天ぷら、酢の物、和え物、玉子とじなど。

【来歴】元々自生していたあさつきを栽培したもの。

【時期】1月~3月下旬

❏漆野いんげん(うるしのいんげん)

【産地】最上地域>金山町漆野

【特徴】つるが無く、若さやで食べても柔らかくておいしいが、さやごと乾燥させたものを戻して食べることができるのが特徴。生のものや種は門外不出のため出回っていない。

【食味】さやごと煮て食べることができる。煮るとさやが透きとおり、中の豆が見えて見た目も美しい。乾燥したものは煮豆や昆布巻き、未熟のものはおひたしなどにする。平成21年度にはいんげんの甘煮の加工品が県食品コンクールで最優秀賞を受賞。

【来歴】昭和14年に炭の検査員から寄贈された種子を元に、荒木家のみで代々栽培されてきた。

【時期】8月中旬~9月下旬

❏肘折かぶ(ひじおりかぶ)

【産地】最上地域>大蔵村滝ノ沢

【特徴】地上にでた部分は濃い紫赤色になり、土の中は薄く着色する長かぶ。葉柄の上部まで赤色に着色するのが特徴。全体的に赤く、下部にいくと少し白っぽくなるが、葉や茎は赤くならない。近くの肘折温泉へ出荷していることからこの名がついた。

【食味】大根に近い形状で肉質が固い。この地域で栽培したかぶや大根は肉質はよくしまりやや固く、長期保存の利く漬物ができる。昔は塩だけで漬けていたが、今は甘酢漬けとふすべ漬けにしている。

【来歴】大蔵村肘折地区で古くから栽培されている地かぶ。

【時期】11月上〜中旬

❏肘折(赤頭)だいこん(ひじおりだいこん)

【産地】最上地域>大蔵村滝ノ沢

【特徴】肘折温泉の客が「肘折の大根」と呼んだことからこの名がついた。肘折だいこんは、赤頭だいこんとも呼ばれるように根部の上部が赤いのが特徴。

【食味】水気が少なく、辛みが強い。肉質が硬いので、長期保存が可能。いぶしたくあん漬、大根おろしなどに使われる。

【来歴】以前は最上郡全域で栽培されていたが、現在は滝ノ沢のみで栽培されている。

【時期】11月上旬

❏弥四郎ささぎ(やしろうさざき)

【産地】最上地域>真室川町

【特徴】完熟した種が茶色なことから「茶ささぎ」とも呼ばれる。つる有りの種で、サヤは長い。

【食味】若美は柔らかで味が良く、おひたしや味噌汁の具として食べるとおいしい。完熟した種実も煮豆などで食べられる。若サヤは、味噌汁の具、煮物、炒め物に、完熟は煮豆に使われる。

【来歴】真室川町川舟沢地区の佐藤家で代々受け継がれてきた。

【時期】5月は種:7月~ 7月は種:9月~

❏雪割菜(ゆきわりな)

【産地】最上地域>真室川町川舟沢

【特徴】生育旺盛で成長スピードが早い。脇芽が次々と立ち、何度も収穫でき、野菜の少ない春先に重宝される。

【食味】食感柔らかで、茎立菜特有の苦味がほとんどない。おひたし、煮物、炒め物、胡麻和えなどで食す。

【来歴】いつから栽培していたかは不明だが、少なくとも昭和20年以前から栽培している。雪解けとともに伸びだす花芽を食べることからこの名で呼ばれる。

【時期】5月上旬

❏とっくりかぶ(とっくりかぶ)

【産地】最上地域>真室川町川ノ内

【特徴】最上かぶと同じ色合いだが、形はずんぐりとしていて、その形が「とっくり」に似ていることから名前がついた。大きさは15cm程度と短い。

【食味】肉質は柔らかで筋っぽさがなく、生で食べてもかぶ独特の辛みが少ない。甘酢漬けやよう(鮭)汁などにして食べている。

【来歴】中川家で代々受け継がれてきたかぶ。

【時期】11月下旬

❏薄皮丸なす(うすかわまるなす)

【産地】置賜地域>米沢市を中心とした置賜地域全体

【特徴】果実は丸く、一口大の形をしており、小なすとして収穫される。皮が薄く、柔らかいため、漬けるとパリッと歯ざわりのよい漬物ができる。一夜漬けに向く。

【食味】「一夜漬け」は皮がパリッと歯ざわりが良い。

【来歴】南陽市の沖田与太郎氏が昭和20年代に新潟からの行商人を通じ種子を入手・選抜したのがきっかけ。地域に出回った当初は「沖田なす」と呼ばれた。その後、「薄皮なす」、「薄皮丸なす」と表現が変化していった。自家用野菜として山形県置賜(おきたま)地域全体で生産されてきた。

【時期】6月下旬~9月下旬

❏小野川豆もやし(おのがわまめもやし)

【産地】置賜地域>米沢市小野川地区

【特徴】小野川温泉の温泉熱を利用して栽培されている。普通の豆もやしとは異なり、胚軸が20cm程に生長する。また、胚の部分によって白目・赤目・黒目系に分かれ用途によって使い分けされる。白目系で5日、赤目系で7日と、養成期間が非常に短い。(床温25〜30℃)

山形大学農学部の調査では新潟県の在来系統である「刈羽滝谷」もやしに近いことがわかった。このことから上杉家のつながりで新潟県から米沢に持ち込まれたのではないかという説もある。

【食味】茎のシャキシャキ感と豆の食感がよい。栄養価としてはビタミンB1、B2、ビタミンCなどを多く含む。代表的な料理は郷土料理の「冷や汁」。おひたし、味噌汁、炒め物やラーメン、すきやきなど様々な料理に使われる。

【来歴】江戸時代始め頃から栽培が行われていると言われており、明治初期に個人での栽培が始められ、大正に「三沢村大字小野川もやし業組合」が結成されて、共同作業による生産が行われるようになつた。現在でも「小野川豆もやし業組合」として、共同作業による生産が受け継がれている。

【時期】11月下旬〜3月下旬

❏雪菜(ゆきな)

【産地】置賜地域・米沢市

【特徴】雪の下で保存される野菜は各地に散見されるが、「雪菜」は雪の中で育つ全国でも珍しい野菜。

【食味】生で食べると甘味がある。生でも食べれるが、熱湯に通すと独特の辛味が生まれる。地元では「ふすべ漬け」という漬物にして食されている。

【来歴】雪国の生鮮野菜の確保のために奨励したと言われ、江戸時代までさかのぼる。米沢藩主・上杉鷹山公が考えだし、栽培を進めたことから始まったといわれ、従来「かぶのとう」といい、「遠山かぶ」のとう(花茎)を食していた。現在は長岡菜との自然交雑から選抜育成したもの。

【時期】12月中旬~3月上旬

❏うこぎ(うこぎ)

【産地】置賜地域・米沢市、川西町

【特徴】落葉低木で樹高は2m~7m。短枝を多くだし4~7mmの細い刺がある。うこぎはたらの芽、うどと同じウコギ科の落葉低木で古くから食用を兼ねた垣根として利用されていた。

【食味】独特の香りと、ほろ苦さが特徴。抗酸化作用にすぐれていることで注目されている。摘み取った若葉や芽を、天ぷらやおひたし、和え物などにして食す。

【来歴】米沢藩主・上杉鷹山公がトゲがあるため防犯にもなり、非常食として利用できるうこぎ垣根を推奨したことから始まる。

【時期】5月下旬~8月下旬(新梢)、3月~5月(新芽)

春に伸びてきた新芽を収穫、食用にするのが一般的。近年では、生産者が生み出した「新梢」(しんしょう)という形状での流通・販売も行われている。

❏窪田なす(くぼたなす)

【産地】置賜地域・米沢市窪田地区

【特徴】小型で丸みを帯びた下膨れの巾着型のなす。皮はややかため。栽培方法は一子相伝で、眼前の吾妻山の雪解け状態を目安に行われている。背丈が短いため、1本の木からあまり量は採れない。生産者が極めて少なく手に入れるのが難しいとされる。

【食味】皮は堅めでバリッと歯ざわりが良く、主に漬物に利用されている。一夜漬け、じゃり漬け、やたら漬など。味噌炒め、味噌汁、煮物やなす干しでも食す。

【来歴】初代藩主の上杉景勝公が会津から米沢入りした時に伝えられ、家臣である直江兼続が窪田町の家中の武士に作らせたのが始まりだと言われている。その後上杉鷹山公より奨励作物として指定され、広まっていった。

【時期】6月下旬~9月下旬

❏遠山かぶ(とおやまかぶ)

【産地】置賜地域・米沢市遠山地区

【特徴】純白で青首、やや円錐形で肉質が堅く繊維質。県内で白くて丸い在来かぶは遠山かぶのみ。長期保存が可能で、抜き取ってからワラなどで囲っておくと、翌春まで貯蔵が可能。一時は消滅の危機にもさらされたが、その味を守りたいという漬物店、農家、清酒醸造元の連携で、ただ一人の生産者を見つけ出し、その種を守ることができた。現在は数人の農家が栽培し、種を守り続けている。

【食味】一般のかぶよりかぶ本来の風味と甘味が強いのが特徴。とにかく堅いので煮崩れしない。米沢の郷土料理「遠山かぶ汁」は、皮付きのまま包丁でひっかく「ぶっかけ」にして調理する。油揚げ、打ち豆などと一緒にだし汁で煮て、味噌と酒粕で味をつけたかぶ汁は絶品。

【来歴】慶長5年に上杉家が越後から会津を経て米沢に転封した際に持参した。その後1800年頃、上杉鷹山公が産業振興策のひとつとして、「だいこんは東の梓山に、かぶは西山に作り、秋かぶは遠山に」作るように進めたことから、盛んに作られるようになったとされる。

【時期】10月末から11月初旬

❏馬のかみしめ(うまのかみしめ)

【産地】置賜地域>山形県南部、長井市

【特徴】山形のえだまめの在来種。平たくて薄い緑色の豆。大豆になると豆の表面に馬の奥歯で噛んだような跡があることから、「馬のかみしめ」といわれるようになった。

【食味】味が濃く、噛みごたえもたっぷりの枝豆で、一般的な枝豆や大豆と同様に調理できる。茹でる際には少し長めに茹でたほうが甘みが増す。枝豆、味噌、納豆、豆腐、じんだん等

【来歴】収穫時期が枝豆の消費が少ない彼岸以降になり収穫したあとも平らな豆は選別に時間がかかることから生産者が減り一時絶滅したとも言われていた。

【時期】9月下旬〜10月上旬

❏宇津沢かぼちゃ(うつざわかぼちゃ)

【産地】置賜地域>飯豊町中津川地区宇津沢集落

【特徴】皮の色はオレンジ色で、その果肉は山吹色。皮が堅くてへそが大きいものほど味が良い。

【食味】甘くて、ほくほくとした食感。煮物、天ぷら、スープ、サラダ、お菓子等様々な料理に活用できる。70℃ほどの温度でゆっくり加熱すると甘みが増す。

【来歴】約100年前から宇津沢地区の屋号の「八郎」宅で種を守り続けたとされる。この屋号から、別名「八郎かぼちゃ」とも呼ばれる。宇津沢集落以外で栽培すると宇津沢かぼちゃの特性が現れない。

【時期】9月中旬〜11月中旬

❏八ツ房なす(やつふさなす)

【産地】置賜地域>長井市

【特徴】形状はやや縦長の巾着型で、色は鮮やかな紫色、手で押すと跡がつくほど皮が柔らかい。ヘタに全くとげがないため扱いやすく、花おち部分が小さいため処理する手間が省ける。薄皮丸なすよりも遅くまで収穫できるのが特徴。

【食味】漬物で食べられることが多い。

また、佃煮や煮物、干してもおいしくいただけます。

【来歴】250年ほど前に新潟から長井市に移り住んだ一族が持ち込み生産が始まったとされる。

【時期】7月上旬~10月中旬

❏つくも高菜(つくもたかな)

【産地】置賜地域>高畠町津久茂地区

【特徴】辛味が強いのが特徴。きれいな緑色なのも特徴。農薬等を使用せず栽培ができ、比較的作りやすい作物である。

【食味】葉や茎は柔らかく辛味がある。辛味の成分はマスタードなどど同じイソチオシアン酸アリルと思われる。漬物、おひたし、チャーハン等。

園地である程度乾燥させた後、塩、味噌、麹で漬け込み、冬期間の保存食である漬物として食べられてきた。

【来歴】明治時代頃から置賜地方での栽培が盛んで、つくも高菜は地区ごとに栽培される在来種のひとつ。名称は、栽培されていた地名に由来すると言われている。現在は市場への出荷はなく、地元漬物業者による契約栽培が主となっている。

【時期】10月下旬〜11月上旬

❏民田なす(みんでんなす)

【産地】庄内地域>鶴岡市民田とその周辺地区

【特徴】早生系の丸なすで、葉は小ぶりで草丈がやや低い。手のひらに乗るくらいに成長したところで収穫する。卵型で果皮が堅く、果肉のしまりが良い。

【食味】皮は硬いが果肉にしまりがあるため歯ざわりが良いため、浅漬け、からし漬け、味噌漬け、一夜漬けなど漬物として食べられる。

【来歴】鶴岡市民田地区が特産地で、江戸時代初期から栽培されている。江戸時代、民田地域の八幡神社の社殿を作る際に京都の宮大工が種を持ち込んだと言われている。京都から外内島・小真木を経由して19世紀に民田に導入された可能性がある。

【時期】6月下旬~10月上旬

❏野良だいこん(のらだいこん)

【産地】庄内地域>鶴岡市藤島地区

【特徴】根長20cm、根径10cm、根重200~600g。は種から収穫まで約60日を要する。

【食味】肉質は緻密で繊維質である。ひげ根が多い。

【来歴】野生だいこんの一種で、「はまだいこん」とも呼ばれる。昭和60年代に在来の野良だいこんで栽培が始まった。これを元に作られた辛み大根が、平成3年に「ピリカリ」で商標登録をしている。一般的な辛み大根より辛みが持続するのが特徴

【時期】

❏酒田きゅうり

【産地】庄内地域>酒田市亀ヶ崎地区

【特徴】シベリア系ピクルス型品種で黒いぼ。果実は短い楕円形で、色はあまり濃くなく先端は白色に近い。ピクルス用は5cm、15g 程度で収穫。「鵜渡川原きゅうり(うどがわらきゅうり)」の名で知られている。

【食味】生食では独特の苦味があるが、漬物としては形状・肉質とも良い。

【来歴】江戸時代から栽培されている。

【時期】6月上旬~8月下旬

❏藤沢かぶ(ふじさわかぶ)

【産地】庄内地域>鶴岡市藤沢地区

【特徴】藤沢かぶは大根に似た細長い形のかぶで、長さ10〜13cm、直径2〜3.5cm程度の小型の長かぶ。地上部のみが赤く着色し、土中にある部分や内部は白色。丸尻になるのが特徴。焼畑で作られ、は種から一ヶ月半で収穫できる極早生種。

【食味】皮が薄く、上品な甘みと辛みを持つ。パリッとした歯ごたえのある肉質で漬物に適している。みそと塩で漬け込むアバ漬け、甘酢漬け、たまり漬けなどで食される。【来歴】来歴は不明だが、「とうげのやま」「とうげかぶ」と呼ばれていたことから温海の峠ノ山から嫁が持ち込んだと言い伝えられている。

【時期】11~4月頃。

❏からとり芋(からとりいも)

【産地】庄内地域全域、最上地域>西村山地区

【特徴】里芋の一種。青茎系(飽海地域)と赤茎系(田川地域)がある。

【食味】葉柄といもが食される。いもはぬめりがなく、濃厚でねっとりした食感。煮くずれないのが特徴。生や剥皮した乾燥品の出荷が行われている。イモは味噌かしょうゆで煮

付け、みそ汁の具。イモガラは納豆汁や雑煮の具などで食す。

【来歴】来歴は不明。庄内地方では明治以前から栽培されている。庄内地方では、さといもの柄を「からとり」と呼び、葉柄も収穫して食べられるという意味の「柄(から)取り」から、「からとりいも」の名前になったといわれている。

【時期】畑栽培は9月下旬から 10 月中旬、湛水栽培は 10 月中旬から 11 月上旬。し近年、いずれの収穫時期も 1/3 カ月から半月ほど早まる傾向にある。

❏紫折菜(むらさきおりな)

【産地】庄内地域>酒田市古湊地区

【特徴】漬け菜。花茎、葉柄が紫紅色に着色する。日本三大砂丘の庄内砂丘から少し離れた松林の砂地で栽培されている。今では「幻のツケナ」とされている。花のつぼみも一緒に食べることができる。

【食味】茎立ちに似ているが、花茎、葉が紫紅色になり味もよい。おひたし、汁の実をはじめさまざまな料理にアレンジできる。

【来歴】昭和初期に中国から導入された紅菜苔(こうさいたい)が原種と考えられている。

【時期】4月上旬~5月上旬

❏次年子かぼちゃ(じねごかぼちゃ)

【産地】村山地域>大石田町次年子

【特徴】緑地にオレンジの斑が入った西洋かぼちゃ。つるが土手にはうように、ほ場周辺に植えて栽培している。

【食味】煮物、揚げ物、天ぷら等

【来歴】大石田町次年子地区で古くから栽培されているかぼちゃ。

【時期】11月上旬から12月上旬

❏次年子かぶ(じねごかぶ)

【産地】村山地域>大石田町次年子地区

【特徴】真紅の長かぶ。葉は立ち、大根の葉に似た形で毛が多い。根部は大根の形状で、根部表面は全体が濃紅色、内部にも色素が入る。深紅の長かぶは全国的にも非常に珍しい。

昔は山の斜面を焼いて無肥料で栽培されていたが、現在は普通畑で栽培。

【食味】肉質は繊維質で硬く、辛みがあるのが特徴。

【来歴】大石田町次年子(じねご)で栽培される

【時期】10月下旬〜11月中旬

❏牛房野かぶ(ごぼのかぶ)

【産地】村山地域>尾花沢市牛房野地区

【特徴】焼畑農法で栽培する長かぶ。根、葉、茎に至るまで全体的に濃い赤紫色で内部にも色素が入る。葉は生育初期から淡紫赤色を帯びる。

【食味】肉質は繊維質で硬く、辛味がある。長期貯蔵可能。漬物、なますに最適。

【来歴】古くから山で焼畑栽培

【時期】10月下旬~11月中旬

❏ようのこ豆(ようのこまめ)

【産地】最上地域>戸沢村蔵岡

【特徴】大豆にしては比較的早い時期に収穫できるのが特徴。

【食味】味噌にした時の風味がよく、豆腐にしてもおいしい。味噌、枝豆、豆腐など

【来歴】昔からこの地域で栽培されていた。名前の由来は「よう(鮭)の子(イクラ)」のような形からという説と、「ようの子」のようにたくさんなることからという説がある。

【時期】9月下旬

❏吉田かぶ(よしだかぶ)

【産地】最上地域>金山町凝山

【特徴】全体的に細長い。上部は赤紫色で内部は白い。

【食味】サクサクとした食感で甘酢漬けなどに使われる。

【来歴】吉田家に代々受け継がれてきた。100年以上前から栽培しており現在4代目になる。名前は元々なく、行商に出ていた頃に「吉田家で栽培しているから吉田かぶでいいのではないか」と名づけられた。

【時期】11月上旬

❏石名坂かぶ(いしなざかかぶ)

【産地】最上地域

【特徴】全体的に長く、根の下部が膨らむ。上部は濃い赤紫色で内部は白い。

【食味】漬けると辛味がある。甘酢漬け

【来歴】昔からこの地域で栽培されてきた。

【時期】11月上旬

❏米さずべ芋(よねさずべいも)

【産地】最上地域>鮭川村米(よね)地区

【特徴】葉は大人の背丈ほどに伸びる。孫芋は丸い形のものが多い。

【食味】柔らかく粘りがあり、芋煮、煮物で食べるとおいしい。

【来歴】米地区で昔から受け継がれてきた。名前は種芋を守ってきた阿部家屋号からついた。

【時期】10月下旬~11月上旬

❏西又かぶ(にしまたかぶ)

【産地】最上地域>舟形町西又

【特徴】形は大根のようで、全体が濃い赤紫色になる。表皮だけでなく、中心部から表皮にかけて筋状に赤い。内部も茎も葉も赤くなる。生で食べると甘味があるが、漬けると辛味がでる。

【食味】果肉は硬く歯ごたえがある。糖度10度以上と高く、生だと辛みがない。漬けている間にワサビのようなツンとした強い辛みがでてくるのが特徴。甘酢漬け、煮物など

【来歴】昔からこの地域で栽培されてきた。標高400mで栽培しないと、西又かぶの持つ特徴が現れない。長期保存が可能。

【時期】11月上旬

❏畑いものこ(はたいものこ)

【産地】最上地域>新庄市本合海畑

【特徴】孫芋は細長い形のものが多い。

【食味】柔らかくぬめりが強く、芋煮、煮物で食べるとおいしい。

【来歴】最上川の舟運文化の中で種芋がもたらされたと考えられている。昔から畑作が盛んだった畑地区で地区の宝とされていたのが「畑なす」「畑いものこ」「畑うり」だった。畑なすはH22に最上伝承野菜に認定されたが、畑うりは現在では栽培が途絶えている。

【時期】10月中旬

❏花作大根(はなづくりだいこん)

【産地】置賜地域>長井市花作地区

【特徴】普通の大根の三分の一ほどの大きさ。硬さと辛さが特長。生産量が非常に少ないため市場で求めることは困難。もっぱら自家用漬物に使うために栽培されている。

【食味】肉質が硬くて苦味がある。その硬さゆえに漬物にしたとき、他にはないパリパリとした歯ざわりとなる。また、漬け込んで半年くらいが食べごろで賞味期間が長く、多忙な田植えのころパリッと美味しく食べられる。

【来歴】上杉謙信が長井市花作の地で食べて気に入り、命名したとも伝えられるほど、この地域で古くから栽培されてきた。「まぼろしの大根」となったが、昭和の終わり近くから、地元で復活の努力がなされ、現在は「ねえてぶ花作大根」のメンバーによって、タネ採り、生産、加工がおこなわれている。

【時期】11月中旬~下旬

❏高豆蒄うり(こうずくうり)

【産地】置賜地域

【特徴】長さ15~25cm程度の俵型の白瓜の一種。果実が成熟しても糖を蓄積せず甘くならないメロン類の変種だが、メロンのように柔らかくならないためカタウリとも呼ばれる。

【食味】形良く肉厚で、漬物にした時のパリパリとした食感が特徴。粕漬けにして食べられるのが一般的。

【来歴】江戸時代後期の上杉鷹山公の時代にさかのぼるといわれ、産地特産品として現在の川西町高豆蒄地区に奨励されたのがきっかけ。高豆蒄瓜は、川西町の高豆蒄地区のみで作られている貴重な伝統野菜。高豆蒄瓜の苗をほかの土地にもって行っても、俵型にはならないのだそう。

【時期】6月下旬~7月下旬

❏畔藤きゅうり(くろふじきゅうり)

【産地】置賜地域>白鷹町畔藤地区

【特徴】長さが30~35センチ、直径は3.5背ンチ、重さは250g前後の細長いきゅうり。一般のきゅうりの濃い緑色で白いイボのものと違って、淡い緑色で黒いイボが特徴。現在は2~3軒のわずかな農家でしか栽培していない。

【食味】しっかりした甘みとうま味を持つ。また、細く種も小さく、皮が薄くて水っぽくない。そのままでも食べやすいが、漬物にも適している。

【来歴】明治以前に、畔藤地区の農家が伊勢参りの途中、東海道中のどこかの宿で種子と栽培の方法を得てきたという説。

【時期】6月上旬から8月中旬

❏梓山だいこん(ずさやまだいこん)

【産地】置賜地域>米沢市万世町梓山地区

【特徴】梓山大根の形状は細身で先細り、表面に赤い筋があり、葉には他の大根にはないイガイガがついている。地名の「あずさやま」がなまって「ずさやま」となった。

【食味】肉質は硬く、辛みが強いのが特徴。置漬けにして3年経過してもパリパリと歯ざわりが良いので、漬物に最適な大根といえる。たくあん(古漬け)。

【来歴】米沢で自生する野生の大根である弘法大根から改良したものだという言い伝えがある。その後、上杉鷹山公が「かぶは西山に、大根は東南の梓山に作るように」と奨めたとされる。

【時期】11月上旬

❏小野川あさつき(おのがわあさつき)

【産地】置賜地域>米沢市小野川地区

【特徴】ひげのような根を付けた状態で出荷・販売される。

【食味】あさつき特有の香りやぬめりがあるが、辛味が少なく、生の歯ごたえは柔らかいが、茹で上がりは他の産地のあさつきと比べてシャキシャキしている。茹で時間は10秒少々と短めにし、その後、冷水ではなく冷風で冷ますとおいしく食べられる。酢味噌和え、おひたし、味噌汁、天ぷら等

【来歴】もともとは野草で県内各所にも自生が見られる。古くから野生種が利用されていたが、東北地方の一部の地域では江戸時代から栽培が行われていた。作付けは以前より行われていたが、販売が開始されたのは昭和20年代。「小野川豆もやし」と同様に小野川温泉の熱を利用して栽培されており、小野川温泉のお土産屋などで販売されている冬の名産品。

【時期】1月上旬〜3月中旬

❏夏刈ふき(なつがりふき)

【産地】置賜地域>高畠町夏刈地区

【特徴】葉柄は1メートルほどで葉は大きく、根本は赤紫色。柔らかいフキを作るために、畑の周囲にコモやムシロで「風囲い」をする。ふきのとうとしても出荷される。

【食味】煮物、粕漬け、ふき菓子に使われる。

【来歴】ルーツは川西町のぜんみょうぶきという説がある。昭和初期に夏刈地区から隣接地である川西町吉田地区に嫁いだ人が、里帰りする時に株を分けてもらい、実家の畑に植えたのが始まりとされている。

【時期】ふき:4月下旬〜5月中旬、ふきのとう:12月、3〜4月

❏おかめささぎ(おかめささぎ)

【産地】置賜地域

【特徴】いんげん豆の一種。皮が薄く、香りが上品な大粒豆。莢は三日月形で豆は3粒が基本。

【食味】煮豆や餡の材料。また、莢が黄色くなる手前、大豆でいえば枝豆にあたる時期に莢ごと塩茹でして、中の豆を食べると甘みが強く大変美味。煮豆、つぶつぶ煮(米沢市の郷土料理)

【来歴】極めて珍しい種類であることを地元では気づいておらず、最近ようやく地域独自の食材として見直されてきた。

【時期】9月下旬~11月下旬

❏外内島きゅうり(とのじまきゅうり)

【産地】庄内地域>鶴岡市外内島地区

【特徴】長さは12~13cm、太さ3~4cmほど。一般的なきゅうりに比べ、短く楕円形に近い長楕円の半白系。果皮の半分が白い品種。イボは黒イボで密度は低い。果頂部は淡緑白色。成熟すると尻や肩部から褐変しやすい。

【食味】皮は薄く果肉が厚い。水分が多く、サクサクした食感で歯ざわりが良い。生食だと果梗付近にやや苦味がある。もともとは越冬用の漬物に使われていた。現在では昔ながらの味噌漬け、生の味わいを生かした浅漬け、ピクルスなどが販売されている。

【来歴】鶴岡市外内島地区で古くから栽培されてきた。弘法大師が出羽三山に向かう途中、外内島地区でごちそうになったきゅうりでのどの渇きを癒やしたという説もある。一時期は生産者が一軒だけという時期もあったが、現在は在来作物を使っての漬物づくりに力を入れる漬物店が材料として調達するようになり復活しつつある。

【時期】6月下旬~7月下旬

❏早田うり(わさだうり)

【産地】庄内地域>早田地区、大岩川地区

【特徴】果実は8~10cm ほどの休憩で果皮色は灰白色で細くて浅い。10本の果溝が入る。果肉は繊維質~粘質であり、糖度は 10 度前後でそれほど高くならない。なお、心皮の数は他のうりが3心皮であるのに対し、早田うりは5心皮で非常に珍しい。

【食味】生食

【来歴】大正時代北海道の松前から導入されたウリと地元の銀マクワと交雑してできた品種と言われている。現在、生産者は4名で市場には流通していない。

【時期】7月~8月下旬

❏室谷かぶ(ほうやかぶ)

【産地】庄内地域>鶴岡市櫛引地区宝谷

【特徴】焼畑で作られてきたかぶ。作付は宝谷地区に限られ、周辺地域には類似品種は見られない。根の直径4~5cm、長さ20~25cm の牛角形。青首(上部が緑がかっている)の白い長かぶ。中ほどで少し折れ曲がっているのが特徴。

【食味】肉質は硬く、やや繊維質。甘みがあるが、すりおろすと強い辛みが出る。薬味、鍋物など。また、煮るとトロリとした食感と独特のほろ苦さが味わえる。甘みが増すよう雪室で生のまま保管され、漬物や郷土料理の蛸煮、どんがら汁(寒鱈汁)などに使われる。

【来歴】江戸時代にはすでに存在していたと記されている。一時生産者が一人だけの危機的な時期があったが、「宝谷かぶ主の会」を立ち上げ、食べ支える活動が開始されている。

【時期】11月上旬~

❏小真木だいこん(こまぎだいこん)

【産地】庄内地域>鶴岡市小真木地区

【特徴】白首だいこんで長さ25~35cm、直径6~7cm(首部は4cm 前後)。

【食味】肉質は硬くてカリカリと食感が良い。生食だと辛みが強いが、干すと甘味と旨みが増す。す入りは極めて少ない。漬物やはりはり大根で食す。庄内地方の正月料理である「はりはり漬け」用として加工業者等に出荷されている。

【来歴】来歴は明らかでないが、1800 年代初期には栽培が定着していた。

【時期】11月。乾燥したものが販売されるので市場に出回るのは12月初旬。

❏かつを菜(かつをな)

【産地】庄内地域>酒田市亀ケ崎地区

【特徴】小松菜の一種と考えられている。だいこんの葉のようにギザギザの切れ目が入っている。

【食味】青野菜独特のクセがなく、ほのかな甘味が特徴。どのような料理にも合うことから、おひたしをはじめ、けんちんや味噌汁の具など多様に使われる。

【来歴】「かつお菜」の名の由来は、食べるとカツオ節のような旨みがあるということから、名付けられたという説がある。

【時期】3月下旬から4月中下旬

❏萬吉なす(まんきちなす)

【産地】庄内地域>鶴岡市湯田川

【特徴】果実は大きいもので長さ15cm、幅10cmの丸型で、重さは400~500gもあり、山形県内に現存する在来の茄子では最も大きい茄子として知られている。

【食味】えぐみが少ないため生食でも美味しい。他の茄子では味わえない香りや甘みがあるのが特徴。

【来歴】萬吉なすは、代々、湯田川のたった一軒の農家でのみ作られてきた門外不出の茄子。少なくとも100年以上の歴史があると考えられている。

【時期】7月上旬~10月

❏大滝にんじん(おおたきにんじん)

【産地】庄内地域>鶴岡市小真木地区

【特徴】:外形は根部の肩の直径が 5-6cm、長さは約 30cm、重さ 200g~250gの短形の長根種で、肥大早く多収、肌色は鮮紅色である。草勢強く耐暑、耐病性共に強く作りやすい。種子は一般には入手不可能。

【食味】肉質柔らかく甘味がある。

【来歴】鶴岡市小真木の故・大滝武氏が昭和30年代に東洋系ニンジン品種の‘金時’

を作り易いように選抜育種したものである。種子は鶴岡市内の松柏種苗で昭和40年から56

年まで販売され、長ニンジンとして勝福寺ニンジンと共に、鶴岡市内外で栽培された。し

かし、今ではこの品種を作出した大滝家1軒だけで、約1a自家用栽培されているのみであ

る。

【時期】11 月上旬から始まり雪の降る前に終了する。冬期間の根菜として主に自家用として食する。

❏與治兵衛きゅうり(よじべえきゅうり)

【産地】庄内地域

【特徴】外皮の色は淡い緑色と黄色がかっている。胴の太さが一般的なきゅうりの3倍ほどある。長さ 20cm 余り、太さ7cm 程度。半白で、白イボ。完熟すると 30cm 近く、太さはビール瓶くらいになる。種子は一般には入手不可能。

【食味】つる首付近にやや苦味があるが、とてもみずみずしく、味、香りともに濃厚。もろみやみそをつけて食べたり、なますやサラダで食べる。また、味噌を氷水で溶き、キュウリの薄切りを浮かべた夏の伝統料理「冷や汁」としても食べる。水分が多いキュウリなので、塩漬けすると実がやせてしまうため、漬物では食べない。

【来歴】養蚕が盛んに行われていた大正時代の始め頃、小国の五十嵐與治兵衛家に温海の峠ノ山から婿が来て、その人が養蚕と桑の栽培法に関する先進的な技術を学ぶために、新潟県の村上へ通った。そこから種をもらい受け、代々門外不出のキュウリとして大切に伝えてきたものである。現在は五十嵐孝昭さんの家で大切に守り継がれている。盆の仏壇に供える精霊馬に使用する。主な用途は、お盆の精霊馬と生食用。現在は一軒のみの自家用栽培。

【時期】、盆の精霊馬の季節に間に合わせている。

 

引用・参考資料

「食の至宝 雪国やまがた伝統野菜」一覧

やまがた伝統野菜|おいしい山形ホームページ

おきたま食の応援団

村山伝統野菜

最上伝承野菜

鶴岡市内の在来作物に関する資料

おしゃべりな畑

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