映画「種をまく旅人」シリーズ最新作制作決定~石川県金沢市の伝統野菜”加賀れんこん”農家が舞台

農林水産省がタイアップする映画『種まく旅人』シリーズをご存知でしょうか?

日本の「食」を支える第一次産業を応援するために制作された映画で、農業や漁業に携わる人々の暮らしを、その土地の風土とともに描いています。

これまでに、三つの作品が制作されており、それぞれ各地の農水産物を題材に物語が繰り広げられていきます。

1作目「種まく旅人 みのりの茶」が大分県の「お茶」

2作目「種まく旅人 くにうみの郷」が淡路島の「タマネギと海苔」

3作目「種まく旅人 夢のつぎ木」が岡山県の「桃」

この「種まく旅人」シリーズの4作目となる最新作「華蓮(ハス)のかがやき」の制作発表が9月24日(火)に、映画の舞台となる石川県金沢市で行われました。

今回の作品の題材は、金沢の伝統野菜である加賀野菜の“加賀れんこん”です。

そこで、今回は映画の紹介に合わせて、加賀れんこんをご紹介したいと思います。

金沢駅

加賀の自慢!もちもち食感の加賀れんこん

現在、生産されている加賀れんこんは、支那白花(しなしろばな)という晩生種で、太くて節の間が短く、肉厚で、でんぷん質が多く粘りが強いのが特徴です。

一般的なれんこんがシャキシャキとした歯ざわりを生かして料理するのに対し、加賀れんこんはモチモチの食感が楽しめる食材で、すりおろして蒸すと、その差は歴然。加賀料理の「はす蒸し」は加賀れんこんを使った代表的なものです。

加賀れんこん はす蒸し

生産地は、石川県金沢市の小坂地区、河北潟干拓地、薬師谷地区、才田地区、森本地区。

加賀れんこんの栽培の歴史は古く、藩政時代にさかのぼります。どのように伝わってきたかは明らかになっていませんが、加賀藩五代藩主前田綱紀のころから栽培されていたといわれています。

当初は、城中で栽培され、「ハスノ根」として上層武士間で薬用として使われていたそうで、その後、金沢市大樋町一帯(小坂地区)で栽培されるようになったそうです。その頃には、「大樋蓮根」と呼ばれ、すでに加賀の国の産物として公に栽培されるようになりました。

明治20年代になると蓮根の商品性が注目されるようになり、「小坂蓮根」と呼ばれ、食用としての栽培が広がっていきました。それから数々の品種の導入と改良を繰り返し、昭和40年代中頃、支那蓮種から選抜育成してできたのが現在の品種「支那白花」です。

兼六園

 

支那白花は、晩生種で、収穫量も多く、耐病性(腐敗病)に強く、浅根性で掘りやすいのが特徴です。

栽培は4月下旬から5月下旬に種れんこんを植え付けます。生育適温が高いため7月中頃からの高温条件で旺盛に生育します。

収穫には2つの方法があり、小坂地区では鍬で掘り土付きのまま出荷する鍬掘り、河北潟では水圧を利用して泥を流す水掘りが伝統となっていますが、どちらでも品質は変わらないそうです。

収穫は8月下旬から翌年の5月中旬までで、市場の状況に応じて長期出荷します。新鮮な泥付きれんこんとして、地元市場をはじめ、県外にも出荷されています。

 

その歴史ある“加賀れんこん”を題材に、映画「華蓮(ハス)のかがやき」が制作されることになりました。

ストーリーは、農家の後継ぎ問題をテーマに展開していきます。古都・金沢の美しい風景と、名産品加賀れんこんを題材にした心温まるヒューマンストーリーです。公開は来年2020年夏の予定。

映画「種まく旅人~華蓮(ハス)のかがやき~」

種まく旅人

■ストーリー:

大学卒業後、大阪・堺市で銀行マンとして働く山田良一(平岡祐太)にある日、故郷の金沢でれんこん農家を営む母から「父親が脳梗塞で倒れた」と電話が入る。

父・竹一(綿引勝彦)が倒れたことにより、畑を引き継ぐか売却か二択を迫られる良一。結婚を考えている恋人(大久保麻梨子)のこともあり、なかなか決断できないが、種まき・収穫など決められた時期に作業を行わなければならないため、良一は戸惑いながらも父に代わって畑へと向かう。

一方、農林水産省かられんこん農家の視察として神野恵子(栗山千明)が金沢へとやって来るのだった。

 

■監督:井上昌典監督

■脚本:森脇京子

■製作:KSCエンターテイメント

■制作プロダクション:松竹撮影所

■出演:栗山千明、平岡祐太、綿引勝彦、大久保麻梨子ほか

■配給:ニチホランド

■公開:2020月初夏全国ロードショー

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