幻の大根「引っこ抜き競技大会」開催!-収穫期を迎える江戸東京伝統野菜の「練馬大根」

煮物、おでん、田楽、味噌汁、漬物、薬味などなど和食に欠かせない食材の大根。

大根の系統は大きく別けると、ラディシュなどの赤色や黒い皮のものがあるヨーロッパ大根、芯が青い長江青首や赤い紅芯大根といった中国大根、そして日本大根があります。日本では各地に根付き、品種は100種類以上あり、世界で最も多いと言われています。

国内の大根は、青首系と白首系の二つに大別されます。スーパーや八百屋などの店頭で見る大根は、ほとんどが青首大根です。青首大根は栽培しやすく、味も甘味が強く、辛味が少ないことが特徴です。反対に白首大根は、辛味が強く、大きさも青首大根の二倍ほどあります。形は首元はスラリとして細いものの、中央部にかけて太くなり、根の方がまた細くなっているのが特徴です。

白首大根の代表的な産地は、東京都・練馬区。そう!あの「練馬大根」です。江戸元禄期には栽培されており、江戸東京野菜の伝統野菜に認証されています。

練馬大根には、練馬秋づまり大根と練馬尻細大根の2品種があります。

練馬秋詰まり大根は、長さ40cmほどで、一般的に流通している大根と同程度の大きさで、先が丸くなっています。身はよくしまっていて、水分が多く、肉質が軟らかい甘味の強い大根です。そのため、煮大根に適しています。また、粕漬けやぬか漬けとしても使われています。

練馬尻細大根は、長さ70cm~1m、重量は1~2kgの大型大根です。重いものでは4kgになるものもあるとか。形は名前の通り、中央部が太く、首とお尻が細く尖っています。肉質がしまっていて、パリッと歯ごたえが良いため、昔からたくあん漬けに使われてきました。また、水分が少なく乾きやすいため、干し大根や漬物用に多く使われていました。辛味が強いため大根おろしにも適しています。

11月から翌年1月頃が旬で、収穫最盛期を迎える12月には、「練馬大根引っこ抜き競技大会」が開催されます。この大会は、練馬区とJA東京あおばの共催で平成19年から始まった催しで、多くの区民が参加します。

大会で収穫するのは練馬尻細大根で、青首大根の2倍の大きさがある上、真ん中が太いため、引き抜くのに3~5倍の力が必要とのこと。畑に植えられた大根を制限時間内にどれだけ抜けたかや長さを競います。引き抜くにはコツが必要で、失敗すると折ってしまうこともあるそうです。

収穫された大根は、区内の小中学校の給食の食材に使われるとのこと。幻の大根が給食で食べられるなんてうらやましいですね。

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