あいちの伝統野菜が37品種に!-清須市「土田かぼちゃ」と名古屋市「徳重だいこん」の2品種があらたに追加!

これまで35品種の伝統野菜が認定されていた「あいちの伝統野菜」に、2023年3月17日付であらたに2品種が追加選定されました。今回の選定で、あいちの伝統野菜は合計37品種となります。

追加選定されたのは、「土田かぼちゃ」と「徳重だいこん」。
この2品種は、ともに一時期栽培が途絶えていましたが、近年、種子が発見され、地域の方々が復活させたものです。

土田かぼちゃは、戦国時代に重要拠点であった清須城で知られる愛知県清須市の土田地区を中心に栽培が盛んだった品種で、以前に当協会のブログ記事
産官学連携で地域の名産品を目指せ!-愛知県清須市の伝統野菜「土田かぼちゃ」が奇跡の復活-
でも紹介した日本かぼちゃです。

徳重だいこんは、すでに「あいちの伝統野菜」に選定されている「宮重だいこん」の中から選抜した系統を徳重地区で維持した品種です。
「宮重だいこん」は、現在の青首大根品種の祖先ですが、現在の青首だいこんと比べ、短くて太めのずんぐりしています。肉質が良く、漬け物、煮物用、切り干しと用途の広い品種です。
「徳重だいこん」も同様に、輪切りにしても均等な形になり、食味は甘く、火を通しても煮崩れしにくいのが特徴です。

「徳重だいこん」は、昭和20年代から 50年代まで同区の徳重地区を中心に生産されていましたが、他の伝統野菜と同じく時代ととも減産。いつしか市場からは姿を消してしまいました。

その後、2016(平成28)年に農業用冷蔵庫から種が発見されたことを契機に、復活に向けた取り組みがスタートしました。地域農家や名古屋市農業センターの協力を得て栽培を繰り返すことで特徴的な形を取り戻します。

種の発見から5年を経た2021(令和3)年には、名古屋市緑区のJAみどりの軽トラ朝市やスーパーでの販売が開始されました。2022(令和4)年5月25日には、有志の農家らによる「徳重だいこん保存会」が発足。伝統野菜の登録を目指して活動し、2023年3月17日に「あいちの伝統野菜」に選定されるに至りました。

あらたに加わった「あいちの伝統野菜」2品種。JAみどりや地域スーパーなどで見かけた際には、ぜひ、ご購入ください。ご存じの方には懐かしい味わいを楽しめること間違いなし。初めて食される方には、例えて言えば、精白糖と和三盆のような、かぼちゃの甘味の差、上質な肉との違いのような、だいこんの緻密な肉質を体験できますよ。

土田かぼちゃ

【歴史】 明治時代には栽培されていたとされる。2007年から復活に向けた取組を開始。

【産地】 清須市(土田地区)

【特徴】 大型で肉が厚い日本かぼちゃ品種。甲高(こうだか)で黄色の地に黒の斑紋(はんもん)が入る。甘味が控えめで糖質が少なく、繊維質水分が多いため、ねっとりとした食感。

【青果物の販売時期】 7月~10月

【料理】 スープ、プリン、漬物など

徳重だいこん〈宮重(みやしげ)だいこんの地方名〉

【歴史】昭和初期には栽培されていたとされる。2017年から復活に向けた取組を開始。

【産地】名古屋市緑区(徳重地区)

【特徴】宮重だいこんの中から選抜した系統を徳重地区で維持。太く短く先端が丸い。輪切りにしても均等な形になり、火を通しても崩れにくい。

【青果物の販売時期】12月~1月

【料理】煮物、漬物、大根おろしなど

 

徳重だいこん

<参考>

愛知県HP園芸農産課「「あいちの伝統野菜」に「土田(つちだ)かぼちゃ」と「徳重(とくしげ)だいこん」を 追加選定しました」

参考資料1「今回追加選定された伝統野菜の加工品やレシピ、販売場所などの御紹介

参考資料2「あいちの伝統野菜(これまでに選定された35品目)」

 

 

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