日本の伝統野菜-15.新潟県

1.地域の特性

【地理】

新潟県は本州の日本海側に面しており、総面積は12,580 km²で全国5位と広いですが、人口は2,199,746人で全国15位のため、人口密度は小さく47都道府県中34位です。(2020年10月現在)

新潟県に隣接している都道府県は6県で、北東に山形県、東に福島県、南に群馬県、長野県、南西に富山県で、石川県とは海上で隣接しています。

地方区分では、中部地方、関東甲信越地方、北陸信越地方などに区分されることがあり、方法によって異なります。八地方区分では中部地方(およびその下位区分である北陸地方)に分類されますが、広域関東圏では関東甲信越地方に区分されます。ほかにも甲信越地方、信越地方、北信越地方(北陸信越地方)などに区分されることがあります。

地形は、地形的には、県の東側に連なる山地、丘陵地、低地、西側の沿岸部に大きく分けられます。山地が県土の77%を占めており、県の北東部には山形県にまたがる朝日山地、東側は福島・群馬・長野・富山各県界にまたがる飯豊山地(いいでさんち)、越後山脈(えちごさんみゃく)および南側に飛騨山脈(ひださんみゃく)など標高2,000m級の山々が北北東から南南西に連なっています。越後山脈はフォッサマグナ形成という古い地層の溝に新しい地層が溜まってできた隆起地形で険しい山の姿をしています。新潟県域の多くがフォッサマグナに積層した比較的新しい年代の地層上にあるとされます。

山地から沿岸部に向かって越後平野が広がっています。丘陵地は、信濃川中流域に魚沼丘陵(うおぬまきゅうりょう)、東頸城丘陵(ひがしくびききゅうりょう)などが分布しています。

これらの地理的観点から県内は一般的に県南西部の上越地方(じょうえつちほう)、中央部の中越地方(ちゅうえつちほう)、北東部の下越地方(かえつちほう)、佐渡地方(さどちほう)の4地域に大きく分けられています。南の方が上越となっているのは、かつて越後国と言われていた頃に、上方に近い南から、上越後(かみえちご)、中越後(なかえちご)、下越後(しもえちご)と北に向かって呼ばれていたためです。

【気候】

新潟県の気候は日本海側気候です。県域全体が豪雪地帯(一部特別豪雪地帯)であり、山間部は世界有数の豪雪地帯となっています。特に津南町や十日町市、妙高市周辺で積雪が多くみられます。しかし、日本海の暖流(対馬海流)の影響で緯度の割には冬の気温が高く、日照時間が少ないために放射冷却が起こりにくく、朝晩はあまり冷え込みません。そのため降る雪は水分が多く、重たい性質をしています。一方、新潟市などの沿岸部では積雪はそれほど多くなく、根雪になることもほとんどありません。

夏はフェーン現象の影響で、気温が上がりやすく湿度も高くて蒸し暑くなります。特に糸魚川市は、日本国内の最低気温の最高記録である31.3°Cを観測しており、熱帯夜が非常に多い場所として知られています。

佐渡島のある佐渡地区は、海洋性気候で冬は暖かく、雪よりも雨の日が多い地域です。

【農業の特徴】

新潟県の経営耕地面積は169,600haで、内、田が150,600ha、畑が19,100ha(2019年)で全国第2位です(農林水産省「作物統計調査 令和元年」より)。

米どころとして全国的に名が知られている新潟県は、米の作付面積と収穫量及び農業産出額が、いずれも全国で第1位です。県の農業産出額の約6割を米が占めており「コシヒカリ」に代表される「新潟米」は全国に出荷され、高い評価を受けています。

一方、野菜の作付面積は年々、減少の一途ですが、農業算出額は横ばいや微増で推移しています。儲かる農業の実現に向けて、省力的で生産効率の高い産地の育成や、園芸生産の拡大が効果を上げています。

新潟県の野菜は、海岸に広がる砂丘地から山間高冷地までの特色ある立地条件を活かして多様な品目が栽培され、県内はもとより全国各地に出荷されています。また、全国1位の作付面積(H29)を誇るえだまめなど、全国上位の品目を有しています。主な生産品種は、作付面積順に、だいこん、えだまめ、ばれいしょ、ねぎ、夏秋なす、さといも、すいか、キャベツ、きゅうり、トマト、にんじん、アスパラガス、れんこん、いちご、 ブロッコリー、カリフラワーがあります。

ほかにも、高度な技術に裏付けられた高品質な果物や全国有数の生産量を誇る切り花・球根・花木、きのこ、畜産、林業など農林水産業が盛んな県です。

2.新潟の伝統野菜

新潟県では、特に明確な伝統野菜の定義はありません。これまで残っていることがわかっている伝統野菜・地方野菜が、なす、菜類、うり類などで数十種類あるといわれています。来歴は、他の地域からの伝わってきたものを選抜したものや他県のものと地元のものの交雑し地域に定着したものなどさまざまです。また、古くからその地元にあり来歴不明となったものもあります。

現在、農業が盛な新潟県では、「長岡野菜」、「柏崎野菜」、「上越野菜」、「魚沼ブランド推奨品」など在来種や地域野菜のプロジェクトにも積極的に取り組んでいます。

ここでは、新潟県が「にいがたの伝統野菜」としてピックアップしている、なす11種、菜類4種、うり類4種、食用菊2種、えだまめ2種、かぶ2種、さといも2種、にんじん2種、とうがらし類1種30品種に加え、柏崎市の菜類1種(与板菜)、新発田市の在来種えだまめ1種(大峰かおり)、上越市の伝統野菜しょうが(仁野分生姜)を加え合計33品種をご紹介します。

新潟県は、なすの品種が多いのが特徴的です。地域によって栽培される品種に合った食文化があり、地域性があります。たとえば、長岡野菜の「長岡巾着なす」は蒸す調理方法が好まれ、豊栄地区では焼く調理方法で美味しくなる「やきなす」が好まれるそうです。

ほかにも、山地が多く独特の地層を持つ新潟県には、独自性の高い地域野菜が隠れているかもしれません。

❏十全なす(じゅうぜんなす)

【生産地】新潟市南区白根地区

【特徴】「白十全」、「本十全」とも呼ばれている。

【食味】果肉がしまっており、柔らか。一口漬けは皮が柔らかく、最高の味といわれている。

【来歴】昭和初期に十全村(現:五泉市)の農家が「泉州水なす」を導入し自家栽培したものを臼井村(現:新潟市南区)へ嫁いだ女性が持ち込んだことが始まりとされている。高級品として料亭などで使用され、一般に出回ることは少ない。

【時期】6月中旬~9月下旬

 

❏梨なす(なしなす)

【生産地】長岡市

【特徴】皮色薄く、へた下は黄色。果肉はしまり、皮が薄く柔らかい。

【食味】蒸す、煮る、焼く等どの調理法でも美味しいとされる。浅漬け、加熱料理に良いが、皮色が変色する。

【来歴】新潟で「梨なす」と呼ばれるナスは二種類あるとされる。梨ナス(泉州水茄系)は、

昭和13年に長岡中島地区に土田真十郎が白根市から導入したもの。もう一つの梨ナス(泉州絹皮茄系)は、昭和19年以後に黒系の大島地区に種子販売された品種とのこと。

【時期】6月中旬~9月下旬

 

❏ 深雪なす(みゆきなす)

【生産地】魚沼市

【特徴】黒十全系統の地元在来種を選抜改良した品種。

【食味】水分が多く、甘みが強い。果実は柔らかく歯切れが良い。漬物はもちろん、煮崩れしないので煮物や焼き物にも適す。果実は大きいほどアクが少ない。生食も可。

【来歴】昔から栽培されていますが、成り立ちは十全系統を選抜したものとか諸説ある。昭和53年に生産組合が組織され、「深雪なす」の名称で多く販売されるようになった。魚沼市の「魚沼ブランド推奨制度」の推奨品に選ばれている。

【時期】6月中旬~10月頃

 

❏ 中島巾着(なかじまきんちゃく)

【生産地】長岡市

【特徴】典型的な巾着型のなす。巾着型であればあるほど味が良いとされる。

【食味】煮崩れがなく、煮物用に最適。

【来歴】明治40年代に亀田町(現:新潟市江南区)から持ち込まれた「亀田巾着」がルーツではないかとされる。

【時期】7月~9月

 

❏ 魚沼巾着(うおぬまきんちゃく)

【生産地】南魚沼市

【特徴】典型的な巾着型のなす。巾着型であればあるほど味が良いとされる。

【食味】煮ても良し、漬けても良しとされる兼用型の「なす」です。

【来歴】明治30年代に六日町(現:南魚沼市)に導入した和歌山地方の早生なすと在来のなすが交雑してできたといわれている。栽培に手間がかかるため、生産量は少ない。

【時期】7~8月

 

❑ 鉛筆なす(えんぴつなす)

【生産地】新潟市南区

【特徴】名前の由来は先端が尖っていることにあります。

【食味】果皮・果肉が柔らかく、小なすで収穫し、浅漬けに利用されたり、大きくして、焼いて食べられています。

【来歴】戦前より白根市(現:新潟市南区)で栽培されていました。宮崎の「佐土原」がルーツとされています。

【時期】7月中旬~10月中旬

 

❏ やきなす(やきなす)

【生産地】新潟市北区豊栄町

【特徴】長さは30cm程になる。

【食味】種が邪魔にならず、皮と果肉が柔らかく、ジューシーで焼きに最適。

【来歴】昭和30年代に白根市(現:新潟市南区)から鉛筆ナスを導入し、焼きなす用に選抜したものとされる。

【時期】6月上旬~8月下旬

 

❏ 久保なす(くぼなす)

【生産地】 新発田市久保地区(旧・豊浦町)

【特徴】色が薄く、へたと実の境目が白くなり、皮が柔らかくて傷つきやすいのが特徴。

【食味】長なすタイプで、果皮が柔らかく、甘味がある。大きくして、焼いても食べられている。焼きなすや浅漬けがオススメ。

【来歴】豊浦の久保地区で70~80年前から多く栽培されていたために、その名が付いた「久保なす」。現在では、五十公野の山王地区で多く栽培されている。昭和初期より豊浦(現:新発田市荒町)で栽培されている。宮崎の「佐土原」がルーツとされる。栽培が難しく、収穫も少ないため栽培農家が減少し、流通は少ない。

【時期】7~11月

新発田市HP久保なす

 

❑ 笹神なす(ささかみなす)

【生産地】阿賀野市笹神地区

【特徴】果皮が「緑色」の丸なす。果皮に独特のしま模様が特徴。「白なす」ともいう。

【食味】果肉がよく締まっており、煮崩れしない。みそ汁や煮物。また縦に輪切りにしてフライパンで焼き、バター醤油で味付けするステーキ。

【来歴】昭和初期から栽培されていました。

【時期】7~9月

JAささかみ笹神神なす

 

❏ 柏崎緑なす(かしわざきみどりなす)

【生産地】柏崎市

【特徴】紫色のなすの色はアントシアニンで、緑なすはアントシアニンが少ないのが特徴。

【食味】果皮が緑色で、アクが少ない。煮物、おひたし、油炒めなどさまざまな調理法に向くほか、郷土料理の「なすぶかし」にして食べるのもおすすめ。

【来歴】戦前から栽培されていたとされる。柏崎市の「柏崎野菜」に認定されている南鯖石地域の宮之下地区を中心に栽培されてきた在来原種。組合を組織し、栽培面積を増やす取り組みを開始。

【時期】7~10月

柏崎市HP柏崎緑なす

 

❏ 越後白なす(えちごしろなす)

【生産地】新潟市西蒲区他

【特徴】果形は長卵型。果皮が真っ白いのが特徴。非常に傷つきやすく傷口はすぐに変色する。ナスニンというなすを紫色にする成分が全く含まれていない。栽培が難しく、地元での消費が中心。

【食味】一般的ななすに比べて、糖度が高く、加熱により甘さが一層高まり、食感はトロッとしてまろやか。

【来歴】新潟市西蒲地区岩室から弥彦村にかけて昭和初期から栽培されてきた。地元の農家が色の薄いなすを何世代も交配を繰り返して育成した。

【時期】7~8月

 

❏ 女池菜(めいけな)

【生産地】新潟市中央区女池・鳥屋野地区

【特徴】「冬菜」とも呼ばれる小松菜の一種

【食味】豊かな甘みとほろ苦さがほどよく調和した、独特の味わい、風味があり、おひたしに適している。「とう菜」の一種だが、とうがまだ短く、蕾もほとんどできていないものが出荷される。

【来歴】明治の初め1887(明治20)年頃から新潟市内で採種が始められ、鳥屋野地区で優良系統の選抜、採種が行なわれて現在に至る。

【時期】12月上旬~4月下旬

にいがたの宝新潟から女池菜

 

❏長岡菜(ながおかな)

【生産地】長岡市、三条市

【特徴】漬け菜の仲間。大菜、小松菜、野沢菜などの血統が入っており、これらの長所を集めたものが「長岡菜」といわれている。草丈は高く、葉は長円形、茎が純白で太いのが特徴。。

【食味】漬物がもっとも美味しいとされる。

【来歴】在来の姫菜の中から、茎の白いものを選抜されたものとされる。

【時期】11月中旬

 

❏ 大崎菜(おおさきな)

【生産地】南魚沼市大崎地区・大和地区

【特徴】「とう菜」と呼ばれる小松菜の一種。よく分けつするので、根元を順次掻き取り、1つの株で冬中出荷を続けることができる。広義のかぶ菜の一種。

【食味】大崎菜独特のほろ苦さと香りがある。おひたしがよく味わえる。地元では、油いため、一夜漬けでも食される。

【来歴】徳川家光の時代、寛文年間から栽培が始まったといわれる。自家採種によって種が受け継がれ、300年以上の長い伝統がある。冬期間でも八海山麓の火山性地下水の湧水にで雪を溶かし、栽培されてきた。明治30年、産業的な発想から「大崎菜組合」が組織され、今日の隆盛の礎となった。

【時期】12月下旬~4月中旬(ピークは2月下旬~3月中旬)

新潟県HP大崎菜

 

❏ 城之古菜(たてのこしな)

【生産地】十日町市

【特徴】大崎菜と同様に、よく分けつするため、同一株から根元を順次掻き取り、冬中出荷を続けることができる。広義のカブ菜の一種。

【食味】独特の甘みがある。おひたし、粕煮、ごま和え、みそ汁

【来歴】大正初期に城之古地区(現在の十日町市)の信濃川沿いの集落城之古で大崎菜の種を入手し、栽培をしたこと始まりとされる。「城之古青菜」ともいう。

【時期】1~3月

 

❏ 与板菜(よいたな)

【生産地】柏崎市

【特徴】柏崎で野沢菜を栽培してもおいしく育たないが、中鯖石地域与板地区の漆山(うるしやま)と麻畑(おばたけ)では本場の野沢菜に負けない大株でやわらかい菜が生産される。

【食味】根は薄紫の蕪で、茎葉と共に漬物にされる。野沢菜なので、基本的には漬物として食すが、雪国では、おなじみの郷土料理「煮菜」に調理してもおいしい。

【来歴】昔、青苧(あおそ)を栽培し、焼畑などによる土作りで肥沃な土壌となった畑で、地域の適した気象条件と相まって、後作として栽培された野沢菜が好評を博し、「与板菜」と呼ばれたと伝えられている。現在でも、住民の間で少しずつ栽培されている。

【時期】11月

柏崎HP与板菜

 

❏ 苅羽節成きゅうり(かりばふしなりきゅうり)

【生産地】柏崎市

【特徴】早生で果形は長く、色が良くて、寒地に向いているのが特徴。

【食味】みずみずしい食感と風味ある味わい。歯切れが良く、独特の苦みがあり、漬物に適す。

【来歴】明治から栽培されていました。柏崎市の「柏崎野菜」に認定されている。

鯖石川の下流域、新潟県柏崎市西中通地域の橋場地区で古くから育られてきたきゅうりでこの地でしか収穫できない。つるの節ごとになるので「節成」といわれる。昭和40(1965)年代まではこの地方できゅうりというと「刈羽節成」を指すほどだったが、新品種の導入など、時代の流れとともに姿を消し、その後、保存されていたタネをもとに40年ぶりに栽培が再開された。2008年に、「柏崎の伝統野菜」に認定。

【時期】6~8月

柏崎市HP苅羽節成きゅうり

柏崎市HP苅羽節成きゅうり漬物

 

❏ 高田シロウリ(たかだしろうり)

【生産地】上越市高土町、東本町地区(旧高田市)

【特徴】長さは30cm前後の棍棒状の果形が特徴。果皮は薄い緑白色。

【食味】パリパリというより、サクサクとした食感で奈良漬の原料として定評がある。

【来歴】かなり古い時代から栽培されており、戦国武将上杉謙信公も賞味されたという説もある。「上越野菜」振興協議会の「上越野菜」に認定されている。

【時期】7~9月

 

❏ ばなな南瓜(ばななかぼちゃ)

【生産地】上越市

【特徴】果皮が「バナナのような色」をしたかぼちゃ。

【食味】きめ細かな肉質で味がいいが、煮崩れしやすいためスープやスイーツの材料によく合う。

【来歴】戦後の食糧難の時期にたくさん作られていたという。自家採種により栽培が続けられたため次第に雑交配が進み、栽培農家が減って絶滅寸前となっていた。現在は、「上越野菜」振興協議会の「上越野菜」にも認定されている。

【時期】7~9月

 

❏ ひとくちまくわ(ひとくりまくわ)

【生産地】上越市

【特徴】一口で食べられるぐらいの大きさの小玉のまくわうり。大きさが名前のゆえん。

果皮が薄緑色で、薄い。生育旺盛で収量が多い。

【食味】やわらかくて甘い。デザートに適する。

【来歴】上越市の柿崎地区で昔から栽培されてきた。上越野菜振興協議会の「上越野菜」に認定されている。

【時期】8月下旬~11月下旬

 

❏ 食用菊かきのもと(しょくようぎくかきのもと)

【生産地】柏崎市南区白根地区

【特徴】花弁が赤紫色の食用菊。新潟下越地方では「かきのもと」、中越地方では「おもいのほか」と呼ばれる。

【食味】シャキシャキと歯切れがよく、適度なヌメリがある。新潟では、おひたしや酢のものとして食される。

【来歴】由来は不明。呼び名も、農家の垣根の下辺に栽培されていたから等諸説ある。菊を食べる食文化は新潟と東北、北陸地方の一部に限られ、地域の伝統食に密着した野菜。食用が始まったのは江戸時代からと言われている。

【時期】8月中旬~12月中旬

新潟市HP食用菊かきのもと

 

❏ 仙人菊(せんにんぎく)

【生産地】柏崎市

【特徴】花弁が白色の食用菊。つぼみは黄色だが、開花が進むにつれて、外側の花びらが白くなっていく。仙人のひげのように細く細やかな花弁をたくさんつけることから「仙人菊」と呼ばれている。

【食味】香りが強く、シャキシャキとした歯ごたえで、甘みがある。「おひたし」、「酢の物」はもちろん、「天ぷら」などでも食べられています。

【来歴】南鯖石地域の西之入地区で昔から栽培されてきた。

【時期】10月下旬~11月上旬の2週間ほどと短い

柏崎HP仙人菊

 

❏ くろさき茶豆(くろさきちゃまめ)

【生産地】新潟市西区

【特徴】新鮮さが味に影響することから、早朝に収穫した朝もぎ豆の人気が高い。

【食味】香りが良く、うまみが深い。ビールのつまみに適している。

【来歴】明治末期または大正10年に、黒埼村小平方(こひらかた)地区に住む農家の娘が山形県鶴岡市へ嫁ぎ、里帰りの際に白山だだ茶豆の種を譲り受けて持ち帰り、その後小平方地区に普及したことが始まりとされる。さらに昭和40年頃には黒埼村(現新潟市)全域に広がり、当時の村長が”黒埼茶豆”と命名した。国の地理的表示(GI)保護制度に登録さました。(平成29年4月 県内初登録)新潟市の「食と花の銘産品」に指定されている。

【時期】 7 月下旬~ 8 月上旬

新潟市HP「食と花」

 

❏ 肴豆(さかなまめ)

【生産地】長岡市

【特徴】枝豆。9月下旬~10月上旬の10日程度の限られた時期しか収穫できない。

【食味】香りが強く、うまみと甘みが絶妙。ゆで枝豆のほか冷凍加工用、煮豆、浸し豆にも適す。茹で上げると緑色が濃くなる。

【来歴】長岡市関原方面で栽培されていた在来種で、昭和45年に同市王番田町に導入され、定着した。

【時期】9月下旬~ 10月上旬の10日間ほど

新潟県HP肴豆

 

❏ 赤かぶ(あかかぶ)

【生産地】村上市

【特徴】山間地の杉伐採地を利用した古来の焼畑農法で栽培された蕪。果皮が鮮やかな赤紫色をしている。実の内側は白色。

【食味】焼畑での栽培で実が引締まり色が良い。適度な歯ごたえと辛みを楽しめる。漬物の原料として最適。定番は酢漬けで、漬けると全体が赤紫色に染まる。実の内側は白色なので色合いの良いサラダがつくれる。

【来歴】かなり古い時代から栽培されてきた。

【時期】10月上旬~12月上旬

 

❏ 寄居かぶ(よりいかぶ)

【生産地】新潟市

【特徴】早生、白色の中蕪。形状はやや扁平。

【食味】肉質はなめらかで、風味のある葉も食べられる。長時間煮ても型崩れしにくく、煮物や汁物、漬物に適す。

【来歴】300年以上前から寄居地区で栽培されてきた。北前船により関西系の品種が導入され、新潟の風土に適したものを選抜されたものとされる。昭和8年の書物では250年前から栽培されていたとの記述(新潟市HPより)がある。現在、市場には、ほとんど出回っていないとみられる。

【時期】10~12月

新潟HP寄居かぶ

 

❏ 新道いも(しんどういも)

【生産地】柏崎市

【特徴】里いもといえば、通常は子イモを食べるが、新道いもは親イモを食べる。一般的なものより大きい。八つ頭のようなコブはなく丸型。

【食味】食感は里いもと八つ頭の中間で、祝い事料理などに用いられた。丸型で、料理しやすく、煮物や蒸し物などで食べられる。

【来歴】鵜川流域の河川畑で柏崎市南部地域(新道、黒滝など)を中心に栽培されていたため、集落名がそのまま名前に付けられたとされる。柏崎市の「柏崎野菜」に認定されている。

【時期】10月

新潟県HP新道いも

 

❏ 八幡いも(やはたいも)

【生産地】佐渡市

【特徴】土垂系で粘りが強い里芋。手の平にのるサイズで、一般的なサトイモよりも少し細長いのが特徴。八幡いもというと山梨県八幡地区の八幡いもが有名だが、形も味も異なる。佐渡の八幡いもは特定の場所でしか育たず、収穫量も少ないため、島内中心の流通となっている。通常のサトイモは粘土質の土で育てられるが、佐渡の八幡芋は水はけのよい砂地で栽培される。

【食味】粘りがとても強い。煮物や鍋、汁物、炊き込みごはんなど

【来歴】佐渡の八幡地区で古くから栽培されている。江戸時代には代官所に収められ、島外門外不出と言われた希少な品種。

【時期】10~11月

新潟県HP八幡いも

 

❏ 曽根人参(そねにんじん)

【生産地】田上町曽根地区

【特徴】長根種で、形はゴボウ、色はニンジンといった感じの姿。長さは1m弱。根部の色は比較的薄く、香りが強い。

【食味】強い香り、歯応えが特徴。サラダや味噌づけなどで食される

【来歴】フランスの西洋系長にんじん「仏国大長」という品種が祖先にあたるとされる。大正9年に「田上曽根胡蘿蔔(こらふ)採種組合」が組織され、昭和7年の採種量は、30石余りあったとされるが、昭和30年ごろからの冷蔵庫の普及や核家族化を背景に、20~30㎝の短根にんじんが消費の主流となり、長根種は姿を消した。いつしか「幻の野菜」と呼ばれるようになり、しばらく生産が途絶えていましたが、2012年より地方の活性化の一環で田上町商工会で田上町の伝統野菜の復活に取り組んでいる。

【時期】

新潟県HP曽根人参

田上町商工会曽根人参

 

❏ 黒姫人参(くろひめにんじん)

【生産地】柏崎市

【特徴】黒姫山の山麓、高柳町磯之辺地区の国分系長にんじん。長根種。根部の色が赤く、煮れば煮るほど赤い色が鮮やかになる。日持ちが良く、煮崩れもしないのが特徴。長さは50cmほど。

【食味】味や香りが強く、

【来歴】柏崎市高柳町でも磯之辺地域だけで栽培されており、大正時代に越冬野菜として出荷された記録が残っている。「黒姫にんじんは、輪切りにすると芯まで赤い」と喜ばれたとされ、越冬野菜として大正時代の出荷記録も残っている。柏崎市の「柏崎野菜」に認定。

【時期】

柏崎市HP黒姫人参

 

❏ 神楽南蛮(かぐらなんばん)

【生産地】長岡市、魚沼地域、上越市、小千谷市 他

【特徴】とうがらしの仲間。果実の形状は、丸型に近いもの、ピーマン型、ししとう型があり、いずれも熟度が進むにつれて、緑色から赤色になる。

【食味】辛味があり、特に種とその周辺が辛い。素揚げや味噌焼き、醤油漬、味噌漬け、なんばん味噌などで食す。

【来歴】かなり古くから栽培されてきたとされ、長岡や魚沼地域では「かぐらなんばん」、上越地域では「おにごしょう」と呼ばれる。表面がしわのよったゴツゴツとした形をしており、その形が神楽面に似ていることから「かぐら」の名がついたとされる。

上越野菜振興協議会の「上越野菜」に認定されている。

【時期】7月15日~10月下旬(霜が降りるまで)

長岡市HP神楽南蛮

 

❑ 大峰かおり(おおみねかおり)

【生産地】新発田市

【特徴】枝豆の一種。さやが大きく、色は鮮やか。

【食味】茹でたときの香りが強く、食味が極めて良いのが特徴。

【来歴】古くから自家用に栽培されていた晩生のエダマメ。現在は、加治川地区の農業者の有志たちが、栽培に取り組んでいる。

【時期】

新発田市HP 

 

❑ 仁野分生姜(にのぶしょうが)

【生産地】上越市頸城区仁野分(くびきくにのぶ)

【特徴】やわらかくて筋がなく風味がよい。

【食味】生のまま細くスライスして、みそをつけて酒のつまみにしたり、生姜酒、生姜酢、生姜茶、生姜湯、生姜漬などにする。

【来歴】天和三(1683)年に百姓の三郎右衛門が近江産の生姜を持ち帰ったのがきっかけで、その頃から栽培されていたが、一度、絶滅したため、その後三河産のものに切り替えられたという。明治時代には高田藩城主への献上野菜でもあった。2010年、上越伝統野菜に認定。

【時期】8月下旬~11月下旬

上越市HP仁野分生姜

 

【参考資料】

新潟県HP「にいがたの伝統野菜」

農林水産省 新潟県 下越地方

農林水産省 新潟県 中越・魚沼地方

農林水産省 新潟県 上越地方

農林水産省 佐渡地方

上越市HP上越野菜

柏崎市HP柏崎野菜

長岡野菜

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